「もう、諦めた」
そう。思っていた。
そう。思いたかった。
◇◈
長いようで短かった夏休みが終わり、前よりも憂鬱になった学校。
教室では、夏休み中の思い出話しで賑わっていた。
うるさかった。
耳障りだった。
『海に行った』、『夏祭りに行った』、『旅行に行った』そんな何気ない思い出話しに心底、腹がたった。
そのくらい、心に余裕が無かった。
「はぁ…」
とため息を吐いて、何気なく外を見る。
8月も終わりに近ずいているのに、まだ元気に鳴くセミの声。
ジリジリと窓際の私の肌を刺激する、強い日差し。
雲1つ見つからない快晴。
絵に描いた様な真夏の景色に嫌気が刺した。
いっそ、このまま誰か私を消してくれないか。
そう、思った。
「やっと…見つけた。」
どこか遠くでそんな声が聞こえた、その瞬間
バッと私の目の前を手のひらで覆い、私はそのまま意識を失った。
声を出す間も、驚く暇も無い、一瞬の出来事だった。
◈◇
「んん…」
目を覚ました時、最初に目に映ったのは
「あぁ、起きたか。」
月光が反射してサラサラした銀髪がキラキラと輝くイケメン。
……?これはどう言う状況なのだろう。
と言うか、ここは何処なのだろう?
目を覚ましてから1番最初に思った事だった。
コメント
4件
この主人公、銀髪イケメンに体も恋心も攫われちゃうんだろうなぁ……… 「諦めた」ってことは何かあったんだろうな………。妄想しまくります。
今日寝る前にする妄想の内容が無事に決まりました