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2 - 第1話「私を攫って」

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2025年01月27日

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「もう、諦めた」

そう。思っていた。


そう。思いたかった。


◇◈


長いようで短かった夏休みが終わり、前よりも憂鬱になった学校。

教室では、夏休み中の思い出話しで賑わっていた。



うるさかった。


耳障りだった。


『海に行った』、『夏祭りに行った』、『旅行に行った』そんな何気ない思い出話しに心底、腹がたった。



そのくらい、心に余裕が無かった。



「はぁ…」

とため息を吐いて、何気なく外を見る。


8月も終わりに近ずいているのに、まだ元気に鳴くセミの声。

ジリジリと窓際の私の肌を刺激する、強い日差し。

雲1つ見つからない快晴。


絵に描いた様な真夏の景色に嫌気が刺した。


いっそ、このまま誰か私を消してくれないか。


そう、思った。



「やっと…見つけた。」



どこか遠くでそんな声が聞こえた、その瞬間


バッと私の目の前を手のひらで覆い、私はそのまま意識を失った。



声を出す間も、驚く暇も無い、一瞬の出来事だった。


◈◇


「んん…」

目を覚ました時、最初に目に映ったのは


「あぁ、起きたか。」

月光が反射してサラサラした銀髪がキラキラと輝くイケメン。


……?これはどう言う状況なのだろう。

と言うか、ここは何処なのだろう?


目を覚ましてから1番最初に思った事だった。




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