食事中、直也は奥野の話を栞にいろいろと聞かせてくれた。
「あいつはイケメンでワイルドだろう? だから、昔からモテまくってて、彼女がいない時期がないくらいなんだ。ただ、一人と付き合う期間が超短くて、しょっちゅう彼女が変わってる」
「そうなんですか?」
「うん。しかも、相手はいつも若い子。だから、あいつは人のことを言えないんだよ」
「そうなんだ……」
「でも、ああいうタイプには年上の方が合うんじゃないかな―って僕は思ってる」
「どうしてですか?」
「あいつは意外と甘えん坊さんなのよ。だから、どっしり構えて包み込んでくれる大人の女性の方が合うと思うんだよなー」
「それは、精神科医の立場からの見解ですか?」
「そうよ。心理学的な観点で分析した結果ね」
「ふふっ、そうなんだ」
「でも、あいつは頑固だから人の意見なんて聞かないだろう? だから、自分で気づくまで放っておくしかないんだよねー」
「それも、じれったいですね」
「うん。早く気付くといいんだけどなぁ」
そこで二人は同時に笑った。
直也は栞が作った肉じゃがを、美味しそうにもりもりと食べていた。
「こっちの生姜焼きも美味いなぁ。栞は本当に料理が上手だね」
「ありがとうございます。褒められると嬉しいです」
「お父さんのところでも、毎週料理を作ってるの?」
「はい。でも、これからは少し控えようかと……」
「どうして?」
「実は父と園田さん、上手くいっているんです」
「そっかぁ~。そういや園田さん、銀座の画廊に行った話を楽しそうにしてたよ」
「そうですか? それなら良かった! 父は、園田さんと一緒にいて、すごく楽しいみたいです。このまま上手くいくといいんだけどなぁ……」
「大丈夫だよ。きっと上手くいくよ」
「はい」
「あー、美味しかった! 大満足! ごちそうさまでした!」
後片付けは一緒に片付けたのであっという間に終わった。
その後、二人はソファーに座ってコーヒーを飲みながら、テレビで放映されていた恋愛映画を観ることにした。
ちょうど栞が観たいと思っていた映画だ。
「どんなあらすじ?」
「イギリス在住の失恋直後の女性と、アメリカ在住の恋人に浮気された女性が、休暇を取りお互いの家をチェンジするっていう話です」
「なんか面白そうだな」
映画が始まると、二人はストーリーに夢中になった。
コメディ要素たっぷりのおしゃれな恋愛映画は、思わず笑いを誘う。笑いだけでなく、泣けるシーンや心に響く場面もあり、二人はすっかり物語に引き込まれた。
ラストシーンで涙ぐむ栞に、直也はそっとティッシュの箱を差し出す。
「栞が泣くのを見るのは、あの時以来だな」
「あの時って……あ、クリニックで……?」
「そう」
「あの時も先生がティッシュをさりげなく渡してくれましたね」
栞が懐かしそうに微笑むと、隣にいる直也が彼女の髪をいじり始めた。
栞の柔らかな髪を愛おしそうに指に絡めた後、今度は手のひらがスッと動いて彼女の耳たぶに触れる。そのくすぐったい感触に、思わず栞が身をよじると、直也が彼女の後頭部をぐっと引き寄せた。
(あ……キス……?)
そう思った瞬間、直也が栞の唇を塞いだ。
チュッ クチュッ
キスの音は、時折賑やかになるテレビの音にかき消されていく。その音が邪魔に思えた直也は、一度唇を離してテレビを消した。
それから彼は、大胆に栞の方へ身体を傾けたので、栞は逃げるような形で上半身をそらせた。
今にも倒れそうな栞の腰を左手でしっかりと支えながら、直也はキスを続けた。
「せ……んせいっ……」
上ずった声で栞が呟くと、直也は彼女の耳に唇を這わせながら、ソファーの上に押し倒した。
「ん? どうした?」
おどけて答えた直也は、栞の耳たぶを優しく噛む。その瞬間、栞の身体がゾクゾクッと震える。
されるがままになっていると、今度は彼の唇が首筋へ移動した。
「や……先生……汗かいてるから恥ずかしい……」
「大丈夫。いい匂いだ」
直也のセクシーな視線と目が合った瞬間、栞の身体が疼きつい声が漏れてしまう。
「ふぅ……んっ」
栞はその時ようやく、ブラウスの前がはだけていることに気付いた。
直也の手のひらが直接肌に触れた瞬間、緊張で身体に力が入ってしまう。そんな栞に、直也は安心させるように言った。
「大丈夫だ……力を抜いてごらん」
そして再び栞の唇を塞いだ。
直也はキスを続けながら、栞の脇腹にあった手を徐々に上に移動させていった。
なめらかな栞の若い肌は、手に吸い付くほどみずみずしい。直也はその肌の感触に感動を覚えながら、彼女の柔らかな二つの膨らみを捉えた。
「あぁ……」
再び栞が声を上げる。
「リラックスして……」
直也は囁くように言ってから、彼女の両の胸を揉みしだいた。
「あぁっっ……」
栞の柔らかな肢体が、ピクピクッと震える。
その反応を見た直也は、我慢しきれず栞のブラジャーを剥ぎ取る。
そして、すぐに栞の左胸の蕾を口に含んだ。
「あっ、あぁっっ……せ…んんせいっ……」
「栞、とっても綺麗だよ……」
焦らすように動く直也の舌は、みるみる栞を快感の渦に引きずり込んでいく。鋭い快感が走ったかと思うと、柔らかな乳房を撫で回すように揉まれ、硬くなった蕾を指ではじく。
直也の絶妙なテクニックは、あっという間に栞を『オンナ』に変えてしまった。
「あんっ、あぁんっ……はぁっ……」
喘ぎながら、栞は自分の声に驚く。その声があまりにも淫らだったからだ。
「栞の喘ぎ声、いいね。すごくそそられる……」
直也は彼女の耳元でそう囁くと、再び硬くなった蕾を舌で転がした。その強い刺激に、栞はもうすっかり濡れていた。
「せ……んせいっ…….もうだめ…….」
思わず栞が切ない声で訴える。
「駄目じゃないでしょ? 栞のここは悦んでるぞ」
直也はそう言ってから、一気にパンティの中に手を入れた。
「あぁんっっ……」
「その声、すごくいい……気持ちいいんだね」
中指でこすられると、奥からじわじわと蜜が溢れ出してくる。栞はたまらず、直也にしがみついた。
捲り上げたスカートが直也の手を阻んでいたので、彼は一度身体を起こしてスカートを一気に脱がせた。
そして、再びじっくり栞の下半身を攻め始める。
「あっ、あっ、あぁんっ」
栞が可愛い声で喘ぐと、直也はたまらないといった表情で愛おし気にキスを浴びせる。そのキスには、優しさと愛情がいっぱい詰まっているように見えた。
栞はもう十分濡れていた。直也の手の動きに敏感に反応する美しい肢体を見て、直也の興奮も最高潮に達していた。
「ベッドへ行こうか」
直也はそう言うと、栞を抱き上げベッドに連れて行った。
そこから先の出来事は、あまりにも衝撃的過ぎて栞は断片的にしか覚えていない。
直也は「痛くないようにするからね」と栞の耳元で囁いた後、中へ入ってきた。
一つになった瞬間、栞の身体に鋭い痛みが走った。しかし、しばらくじっと耐えていると、痛みは徐々に薄らいでいく。
自分の上で激しく動く直也の男らしい姿は、とても素敵だった。
汗ばんだ直也の逞しい肉体を見ているだけで、栞の感度はますます増していく。
やがて痛みは遠のき、栞の中からとめどなく蜜が溢れ出してくる。そして、下腹部あたりにもやもやした違和感を覚えるようになった。
「あぁんっっ」
そのもやもやが快感だと知ったのは、すべてが終わった後だった。
絶頂に上り詰めた栞は、無意識に直也の背中に爪を立てていた。
クライマックスを迎えた瞬間、栞の目の前がチカチカと光って滲んでいく。
「栞……愛してるよ」
「せ……んせい」
直也は栞をギューッと抱き締めながら、すべてを解き放った。
二人の呼吸が落ち着くと、直也は栞が気付かないうちに着けていた避妊具を外し、栞にぴったり寄り添う。
そして、栞に優しいキスをした。
「痛かっただろ? ごめんね……」
「ううん、大丈夫……」
一つになれたことが嬉しくて、思わず栞は直也に抱き付いた。そんな彼女を、直也は愛おしそうに抱き締める。
「これで、やっとホンモノの恋人同士になれたね」
「ん……でも恥ずかしい……」
「恥ずかしがらなくてもいいさ。栞はすごく素敵だったよ」
「……本当に?」
「うん、本当だ。最高だったよ!」
直也はそう言って、栞の額に軽くキスをした。
幸福感に包まれた栞は、直也の体温の心地良さに、ついうとうとし始める。
眠りに落ちていく栞を見つめながら、直也の心は満たされていた。
ようやく長年の思いを遂げたのだ。直也は喜びで胸がはちきれそうだった。
「一生、大事にするから……」
直也はスヤスヤと眠る栞にそっと囁く。
そして、もう一度栞の唇に優しいキスを落とすと、自分も目を閉じて眠りについた。
コメント
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直也さん予告無く自然体で栞ちゃんと結ばれたねキャー(⁎˃ ꇴ ˂⁎)ッ💕長年の思いもありようやくって感慨深いね。 ストーカー重森に助けた奥野さんとか異性絡みにちょっと嫉妬したのもあり独占欲が発動しちゃったのかな。。❀(ㅅ•᎑•)❀ 一生大事にするよ💗💗 誠実だなぁ💕💕
栞ちゃんと直也先生のお付き合いも一歩前進ね❣️大人の階段を一歩づつ登って直也先生との仲を深めて行ってね❣️
突然過ぎてドキドキ〜🥰💝😍✨