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No.3156が答える前に、レイと呼ばれた男の子は所長にこう言った。
「オニイサントハナシテタノ!オニイサンハ、サイコロナンダネ!」
所長はこう返す。
「ハハハ、なるほど。3156でサイコロか。確かにオニイサンはサイコロだな。」
所長はこう続ける。
「レイ、楽しんでいるところすまないが、そろそろハウスに帰りなさい。オトオサンも仕事が終わったら行くから。」
所長の言葉が終わると同時に、庭園に白衣を着た職員2人が入ってきて、レイの体を持ち上げた。そして、所長が「よろしく頼む。」と言うと、レイは連れられいってしまった。
レイはNo.3156との別れ際、こう言った。
「オニイチャン!ツギハ”スゴロク”ヲ、レイトイッショニ、アソボウネ!」
レイと職員達が庭園からいなくなり、No.3156と所長が取り残された。所長はNo.3156に対して、こう言った。
「サイコロね。呼びやすくて、いい名前じゃないか。私もキミのことをサイコロと呼ぶことにするよ。」
No.3156改め、サイコロは所長に尋ねる。
「さっきの男の子、レイくんは所長さんの子供なのですか?」
「まぁ、子供みたいな物だよ。私の”最高傑作”だからな。」
どうやらレイも実験によって生み出されたようである。そして所長はサイコロの耳元に近づき、こう呟いた。
「あの子の教育のためにもなるし、レイとキミが遊ぶのは歓迎だが、もしキミと一緒にいる時にレイの身に何かあれば…分かっているね?」
サイコロの顔が引き攣る。要するにこの瞬間、サイコロはレイの教育係に決められ、自身の命もかけられてしまったのである。
サイコロは恐怖を堪えつつ、「任せてください。」と返したのであった。