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因果応報
産声を上げる我が子は可愛かった
産まれたての赤ちゃん。
お腹を痛めて産んだ子
でも
私にとってそれはただの呪縛
責任を取らなきゃいけない。
内心私は焦っていた。
責任なんか取れない
私は何も悪くない！！
避妊しなかったあのクソ男が悪いんだ
だから私は何も悪くない
クソ男の赤ん坊なんていらない
だって金がかかるだけだもん
あぁ気持ち悪い
あんなに可愛いと思ったのに
クソ男の血が入ってると
思うと気持ち悪くて殺したくなった
だから河川敷に投げ捨てた。
川に流されて死ねばいい
これでやっと解放されたわ笑
通り魔「笑笑」
ｻﾞｸｯ
母親「え…？」
嫁に離婚された。
親権も剥奪されて
避妊していなかったからと慰謝料請求も来て
だがあの時俺は避妊具をつけていた。
嫁から直接渡されたものを使ったのだ
なのに何故だ？
なんで俺が責任を負ったんだ…。
意味がわからない
きっと小細工されていたんだろうが
娘を預かった嫁を訴訟したくない。
娘が…可愛かったんだ。
笑う娘の顔が可愛くて可愛くて仕方なかった
だから躊躇してしまった…
俺は何も出来ずにただ日々の借金を返し続けるだけで…もう死にたくなった。
その時だった
白黒の羽が生えた白髪の女性が俺の後ろにいた。
モブ「うわぁ！？なんだアンタ！？」
それも、目を怪我しているのか、目に包帯巻いた不思議な女性だった。
…女が腕の中に抱えるのは見覚えのある顔の赤ん坊
モブ「!?それは俺の娘だ！！」
？？「笑笑」
女を見つめ笑う娘に連動するように笑う女に、手を伸ばしても簡単に避けられる
モブ「娘を返せ！！」
？？「やり直したい？」
モブ「は？何を急に…」
？？「道を外さなかった代わりにやり直しをさせてあげるよ」
モブ「やり直しってなんの事だ？」
？？「親権を取られたんだよね。だから親権が移るようにやり直しする？って」
モブ「そんなこと出来るわけないだろ！！」
？？「ううん出来るよ？ねぇ、するの？早く答えてよぉ」
…本当に出来るなら俺はしたい…
娘と暮らす為なら怪しい話だろうと信じよう
モブ「わかった。やり直しをする」
？？「はぁ〜い！やり直しは2回限りだよ」
？？「それと！道を間違えないように…」
そう言うと女性は消えて
娘は俺の腕の中にいて…部屋に戻っていた
そこからは幸せで…幸せすぎた。
娘はあっという間に大きくなり、巣立った。
だが…もう一度娘の成長を見たかった…
赤ん坊の可愛い娘を見たくなったんだ…だから、だから
もう一度リセットボタンを押した。
娘は赤ん坊に戻って、俺の腕の中にいた。
今度は育て方を変えてみたんだ。
…これが間違いだった
娘「キモい！話しかけんなクソ親！」
娘「どうせお母さんがいないのもお前のせいだろ！」
父親「そ、そんなわけないだろ！そんな子に育てた覚えはないぞ！！」
娘「っせぇ！💢黙れよ！」
娘「働くのも辞めて私を水商売で働かせたくせに！！」
娘「お前のせいで人生台無しだ！！」
娘「殺してやる！！」
娘は包丁を持って俺の前で振り上げた
父親「や、やめろおぉぉ！？」
俺は咄嗟にリセットボタンを押した
だけど何も起こらない
父親「な、なんでだ！これは本物でｯ…」
ｻﾞｸｯｯ
明かりが消え暗くなった冷たい部屋
2つの死体を背負う少女は
「天網恢恢疎にして漏らさず…だね」
静まり返った血まみれの部屋を後にする
