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今まで自分の心だけにしまって誰にも言えなかった事、

ずっと心の奥に鍵をかけて隠していた事実。

それが喉元まで出ているのに言えない。


言えばすっきりする…それはわかっている。

しかし愛しい人に告白する勇気がなんてなかった。


ただ泣きじゃくる真子を抱き締めながら、拓はもう一度言った。


「言ってごらん。俺はそんな事で真子を嫌いになったりはしないから」


すると泣きながら真子が顔を上げて聞いた。


「本当?」

「ああ本当だ、約束する」


そこでしゃくりあげていた真子が少しだけ落ち着きを取り戻す。

そして涙を手で拭いながら話し始めた。


「高1の時、入院してたの…」

「うん。心臓の病気でだよな?」


真子はコクンと頷く。


「入院中夜眠れないと屋上に月を見に行ってたの…その時に……」


真子は当時の状況を思い出し、再び泣き始める。

拓は思わず切なくなりギュッと真子を抱き締めた。

そして聞いた。


「病院の奴か?」

「そう……担当の先生…」

「医者かっ、くそっ! 最低だな! それって犯罪だろう? されたのはキスだけか?」


そこで真子がまたワンワンと泣き始める。

泣きながら頭を左右に振った。


「それだけじゃないのか? くそっ、なんなんだよその医者は! セクハラ、いやマジで犯罪だ! で、何をされたん

だ?」

「…………」


真子は言えずにただ泣きじゃくる。


「真子、ちゃんと言ってみろ。言えば楽になるから」


拓は表面上は穏やかな口調だったが、心の中は怒りで煮えくり返っていた。

そんな拓の心情を感じ取ったのか、真子は諦めたようにゆっくりと話し始める。


「胸を……」

「胸を?」

「揉まれて……吸われた…」

「ハァッ? なんて奴なんだっ! とんでもない医者だな。訴えたら捕まるんじゃないか? 真子、その事はご両親には話した

のか?」


真子は慌てて首を振る。


「俺が言ってやるよ」

「駄目っ…それだけはやめてっ! これ以上心配させたくないの。ただでさえ小さい頃から病気で心配かけているのに…」


真子は悲痛な声で叫ぶ。


「でもそんなのが許される訳ないだろう? 医者という立場にありながら高1の女の子にそんな事をするなんて!」

「わかってる…でも、でもね、お父さん達には知られたくないの…」


真子はそう言って泣き続ける。


拓は真子を抱き締めながら怒りに震えていた。

今目の前にその医者がいたらきっと殴っていただろう。


しかし真子が親に知られたくないという気持ちもわからないでもなかった。

それだけに拓もどうしていいかわからない。

今はただ生まれたばかりの鳥の雛のように身体を震わせて泣き続ける真子を抱き締めているしかなかった。

拓は真子の気持ちが落ち着くまで、ただひたすら真子の身体を包み込んでいた。


しばらくすると、真子は段々落ち着いて来た。涙は止まったようだ。

それから真子は顔を上げて言った。


「ねぇ拓…私、拓に上書きして欲しい」

「上書き?」

「うん。あいつに触れられた時と同じように拓に触れて欲しい。拓に上書きして欲しいの」


真子は真剣な眼差しで言った。


「俺でいいのか?」

「拓だからいいの…拓じゃないと嫌なの…」


真子は拓の胸に顔を擦りつけながら懇願する。

思わず拓の胸がズキンと疼く。


(それで真子の嫌な記憶が消えるのか?)


拓はそう思いながらも決断する。


そして辺りを見回してその儀式にふさわしい場所を探した。

よく見ると森の奥には手作り風の木のベンチがある。


「あそこへ行こう」


拓は真子の手を握るとベンチへ向かった。


「真子、座って」


真子がベンチに腰を下ろすと、拓も横に並んで座る。

そして、


「本当にいいんだね?」


と真子に確認する。


「うん…」


真子はコクリと頷くとまっすぐに拓の瞳を見つめる。

真子の瞳には強い覚悟が見えた。

その意志を確認した拓は、右手を真子の後頭部に当てる。

そして真子の顔を引き寄せるとそっと唇を重ねた。


キスは優しいキスから始まり焦らすような動きを始める。

それがしばらく続いた後、今度は少し強めのキスへと変化していく。


「んっ……」


真子から漏れる甘い吐息が拓の心を揺さぶる。

たまらなくなった拓は舌を真子の口内に入れた。

そこで二人の舌が熱く絡み合う。

まるで真子の全てを知り尽くそうとするように拓の舌はせわしなく動き回る。

真子は身体中の力が抜け拓にもたれかかるように座っていた。


そして今度は、拓の唇が真子の耳へ移動し耳たぶを弄ぶ。

その後唇は首筋へと移動し、真子の滑らかな肌の上を滑る。


初めて感じる感覚に真子はドキドキしていた。

ゾクゾクするような感覚が次から次へ波のように押し寄せる。


杉尾医師にされた事と同じ事を今拓にされている。しかし恐怖は全く感じない。

それよりも今までに感じた事のない感覚が真子を戸惑わせる。


拓の唇が真子の喉元まで下がると、拓は真子のカットソーの裾から右手を入れた。

そしてその右手を徐々に上へと移動させる。

その際衣服もたくし上げられ、真子は素肌にひんやりとした空気を感じる。


拓の右手は滑らかな真子の素肌を這いながら目的の場所へと辿り着く。

そして柔らかい膨らみを捉えた。

その瞬間ゾクッと鳥肌が立ち真子が震える。

それに気づいた拓が言った。


「大丈夫か? やめようか?」

「う、ううん…続けて」


真子はなぜか拓にやめて欲しくないと思っていた。


拓の左手はいつの間にか背中に回りカットソー中に滑り込んでいる。

そしてその指は器用にブラジャーのストラップを外した。

その瞬間、自由を得た真子の胸が弾ける。

拓は真子のカットソーを首元までたくし上げると、柔らかい二つの膨らみを揉み始めた。


その感覚は真子が今までに感じた事のないものだった。

杉尾医師による荒々しい感覚とは異なり、拓の手の動きは真子に心地良い感覚を植え付ける。


「た…く……」


思わず真子が拓の名を呼ぶ。


「真子…凄く綺麗だよ…それになんて柔らかいんだ…」


拓は胸を揉みしだいていた手を一旦止めると、

今度は真子の先端部分を指でいじり始める。

その途端真子から熱い吐息が漏れる。

まるで電流が身体中を駆け巡るような感覚だった。


「あっ……はぁっ……」

「真子の喘ぎ声可愛い……」


拓の声がかすれている。

拓は真子の硬くなった蕾を摘まんだり弾いたりして真子の反応を見ている。


次々押し寄せる快感に思わず真子の身体がのけ反る。

その結果真子の胸が突き出される形となり、たまらなくなった拓はそっと真子を押し倒した。

そして露わになった乳首に舌を這わせた。

その瞬間、また真子から声が漏れる。


「あっ……」


拓は真子の硬くなった蕾を口に含むと、チュパチュパと音を立てて吸い始めた。

吸った後はまた舌先で弾いて転がし、それを何度も繰り返す。


(あぁ……)


真子は頭の中が真っ白になっていた。

あの時の恐怖はすっかり消え、代わりに初めて経験する快感に戸惑っていた。


(あぁっ……もう駄目……)


真子は恍惚としていた。


「真子…凄く綺麗だよ…信じられないよ…」


拓は何度も何度もそう呟きながら、今度は両手で真子乳房を掴むと少し強めに揉み始める。

そして先端を尖らせると唇でチュッチュッと刺激を与える。

その度に真子からは切ない喘ぎ声が漏れた。


しばらくその行為を続けた後、拓の唇が漸く離れた。

そして拓はもう一度真子にキスをする。

拓の息は荒々しかった。


「この辺でやめておこう…」

「…………」


真子は急に恥ずかしなり頬を真っ赤に染める。

しかしその顔に後悔は見られなかった。


拓は真子のはだけたカットソーを腰まで下ろすと、ぐったりした真子を優しく抱き起す。

そして隣に座らせた真子のおでこにチュッとキスをしてから再び真子をギュッと抱き締めた。


「上書きできたか?」

「うん…充分…ありがとう…」


真子はまだ身体の中心に疼きを覚えたまま答えた。

そしてこう思う。


(私の汚れた身体を拓が清めてくれた…)


真子は感動で胸がいっぱいだった。


一方拓はホッとしていた。

こんな事で真子の苦しみが少しでも癒されるのならこんな嬉しい事はない。


二人はしばらく抱き合ったまま夜空を見上げた。


「俺はこの三日月の夜を決して忘れないよ」

「うん、私も……拓、大好き」


真子はそう言うと拓に甘えるようにギュッとしがみつく。

そんな真子を、拓は微笑みながら両腕でしっかりと包み込んだ。

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コメント

1

ユーザー

三日月🌙の下でセクハラ医師の告白と拓くんの上書きキス😘 真子ちゃん、ちゃんと伝えて拓君も複雑だけと嬉しかったよね🥰 人の心は見えないから言葉にして伝えよう❣️ 憶測でこじれないようにしないとね✨🙏

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