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【絵画教室】

でも、やっぱり気のせいじゃなかったみたい。そのうちの一人が話しかけてきた。

「ねえ、君、名前は何ていうの?」

「えっと、小鳥遊といいます」

「へー、いい名前だね」

「ありがとうございます」

「ところで君はいくつなの?」

「十九歳です」

「ふーん。それじゃあ今は専門学校生とかなのかね?」

「いえ、今は大学生です」

「へー、すごいね。それでヌードモデルなんかできるんだ。いいねぇ」

「あ、はあ……」

なんだか変な雰囲気になってしまった。どうしよう。私が困っていると、

「おい、お前たち、何を言っているんだ。これから彼女のヌードを描いてもらうというのに」

先生が注意してくれた。

「あ、そうでした。すみません」

「ほら、君たちも席についてくれ」

先生に言われて、他の人も自分の椅子に座っていった。それから私は再びポーズをとることになった。すると今度は、

「おっぱい大きいですね」

と、後ろから声をかけられた。振り向くとそこにはさっきの男の子がいた。彼はスケッチブックを広げていた。

「あ、ありがとう……」

私はちょっと恥ずかしかったけど、笑顔でそう返した。すると、彼は何か言いたげにこちらを見つめてきた。

「あ、あの、どうかしました?」

「あ、いや、ちょっと明かりが足りない気がして」

先生もそれに同調した。

「今日はいつもより人が多いせいか、ちょっと影が出来るね。どうしたもんか……。あ、そうだ」

というと先生は、ニコニコしながらマンションのカーテンを開けた。そこは一面窓ガラスになっていて、たっぷりと日光が降り注いできて、部屋全体が明るくなった。すると、

「あ、いい感じになった」

男の子はそう言って、鉛筆を走らせ始めた。すると、周りにいる男性陣も同じように描き始めていった。そしてだんだん私のまわりに集まってくる。

みんなで私の裸を描いている……。なんだかとても不思議な光景だった。でも、ちょっと窓の方が気になる。ここは一階で、そちらは道路に面していた。誰か通ったら……と思うと、私は恥ずかしくてしょうがなかった。しかしそんな私とは対照的に、男性はみな楽しそうに描いていた。と、そのとき……

「あ、子どもたちが来てる!」

私は思わず叫んだ。集団下校する小学生の男の子や女の子がたくさんこっちにやってくるのが見えたからだ。(続く)

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