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あ~💦危なかった~‼️😱😱😱 ストーカー重森、怖すぎ😰 陸さんが来てくれて良かった....😢 大野さんも...アリガトウ👮👍️ 婚約者が逞しく 最強な男で😎💪 その友人は現役の警官だと聞けば、 もうさすがに 重森も手を出してこないでしょう....良かったぁ😌
重森はとうとうストーカーに成り下がったね👇👇それに華子も陸さんという男前で華子をよく分かってくれてる婚約者がそばにいるから、重森なんて過去の産物でしかないよね❗️それにしても女子を強引に車に押し込めるなんて許せるはずがない😡💢‼️ 陸さんとたまたま?大野さんが来てくれて事なきを得たけどこれはれっきとした犯罪だし、重森は捕まれば犯罪者になるとこだったってわからないんだろうなー🎠🦌な奴‼️
「帰ったんじゃなかったの?」
「君とちゃんと話しをするまでは帰らないさ」
重森は昔のような強気な態度で言う。しかし華子は昔とは変わっていたので呆れた顔をして重森を見つめた。
大学時代の重森はもっと素敵だった。リーダーシップがあり男らしい魅力に溢れていた。だから華子も追いかけたのだ。
しかし今の重森にはあの頃の魅力が皆無だった。
(医者という激務が彼を変えてしまったの? それとも今良い恋愛をしていなくてこんな風になっちゃったの?)
華子はそう考える。そんな華子に重森が言った。
「今日は車で来てるからドライブがてら車の中で話しをしよう」
「ちょ、ちょっと待ってよ! 私は話す事なんて何もないわ。だって私達はとうの昔に別れたのよ。今更なんの話があるって言うのよっ」
「だから俺の方から話があるんだよ。ったく、通りでそんな大声を出すなよ。いいからこっちへ来いっ」
重森は華子の腕を強く掴むと停めてある車の方へ引っ張って行く。
「や、やめてよっ、やめてってばっ」
「騒ぐなっ、ほら来いよ」
重森は華子の目をキッと睨むと華子を引っ張って行く。その冷たい視線に華子は思わずゾッとした。
(この人は以前の重森じゃない。昔から勝手なところはいっぱいあったけれどあの頃の重森はこんな冷たい目をする人じゃなかった)
華子はそう思いながら必死に抵抗した。
しかし180センチある重森の身体を華奢な華子が簡単に振り切れる訳がなかった。
引っ張られてとうとう車のドアの前まで来てしまう。そこで重森がドアを開けて華子の身体を押し込もうとした。
(乗ったらおしまいよ華子……)
華子は手を突っ張り必死に中に入らないように踏ん張る。しかし重森は華子の腰に手を回し強引に車へ乗せようとした。
とうとう華子の踏ん張っていた足がよろめきその拍子に座席へ倒れ込んでしまう。
その時二人の後ろで低く鋭い声が響いた。
「彼女をどこへ連れて行くつもりだ」
その声にハッとした重森は後ろを振り返った。華子も同時に声の方を見る。
そこに見えたのは冷ややかな視線を重森に向ける陸の姿だった。
「陸っ!」
華子がホッと安堵した瞬間陸は華子の腕を掴んで引き寄せるとすぐに自分の後ろへ隠す。
そして重森の腕をひねり上げるとあっという間に重森の動きを封じた。
「イテテテッ……」
重森の口から苦痛の声が漏れる。
「な、なんだよお前っ」
「華子の婚約者だ。大事な婚約者が車に連れ込まれそうになったんだ、慌てるのは当然だろう?」
「フンッ、連れ込むなんて大袈裟な」
「そんな事を言っていいのか? 今のは場合によっては立派な犯罪だぞ」
そこで陸はもう一度重森の腕を締め上げる。
「イテテテッ、おいっ、放せよっ」
そこで陸が漸く手を離した。
急に自由の身になった重森はシャツの裾を引っ張ってから陸に怒鳴った。
「ハッ? 昔俺達は付き合っていたんだぞ、四年もな! 昔の女をドライブに誘ったくらいで犯罪になんかなる訳ないだろう? お前バカか?」
「でも嫌がってる彼女を無理やり連れ込もうとしたんだぞ。立派な犯罪だ。いや、ストーカーか?」
陸はニヤッと笑って重森の目を睨み返した。その迫力ある眼差しに一瞬重森が怯んだ。
「と、とにかく華子は納得して俺について来たんだ。だから決して無理やり連れて行こうとした訳じゃない」
「私納得なんかしていないわ」
「俺にもそう見えたぞ」
「フンッ、とにかく違うもんは違うんだっ」
重森はあくまでも認めない。その時誰かが声をかけて来た。
「陸! どうした? なんかトラブルか?」
三人が声の方を振り向くとそこには華子も見覚えのある顔があった。
そこにいる男性は華子が自殺未遂をした日に陸の店にいた客だった。あの日華子と陸が店を出る際、陸にDVDについての話をしていたのを覚えている。
年齢は50歳前後、背は低いががっちりとした身体つきの目つきの鋭い男性だった。
「ああ、大野さんちょうど良かった」
陸は大野に現状を説明する。
「俺の婚約者を彼が無理やり車へ連れ込もうとしたんです。これって犯罪ですよね?」
それを聞いた大野はなるほどという顔をした。
大野が答える前に陸は華子に言った。
「大野さんはうちのお客さんで現役の警察官なんだよ」
華子は納得する。そして重森はギョッとした顔をしていた。みるみる顔が青ざめていく。
「そりゃあ嫌がる人間を無理やり車へ連れ込もうとしたら略取罪になっちまうなぁ、りっぱな犯罪だ。どうする? すぐに俺の同僚を呼ぶか?」
大野はこの地域を管轄する警察署に勤めているので電話一本で仲間を呼び出せるようだ。
大野はポケットからスマホを取り出すと今にも電話をかけそうな仕草をする。
すると重森が血相を変えて慌て出した。
「い、いやっ、俺は何も…本気じゃなくて…ちょっと冗談でふざけただけっすよ。嫌だなぁ本気にされたらたまったもんじゃないなぁ」
重森はそう言いながらさり気なく車の運転席の方へ移動を始めた。
そんな重森に大野が強い口調で言った。
「ちなみにこの車はお兄さんのかい? これはれっきとした駐車違反だなぁ。今日の所は見逃したるけど俺の仲間が切符を切る前に早く車を動かした方がいいぞぉー」
大野はそう言ってガハガハと笑った。
重森は思い切り罰の悪そうな顔をしてから慌てて運転席へ乗り込むとすぐにエンジンをかける。
かなり動揺していたのかウィンカーをつけたつもりが間違えてワイパーを動かしてしまった。無情にもそのワイパーはしばらくの間キコキコと動き続けていた。
そんな重森の車に向かってさらに大野が言った。
「おにーさん、今日は雨は降ってないでやんすよー」
大野の言葉を聞いた陸と華子は思わずプッと噴き出した。
しかし笑っている間も華子の手は陸の手をしっかりと掴んでいた。
「大野さん助かりました、ありがとうございます」
「ありがとうございました」
二人は大野に礼を言った。
大野は笑顔で華子の顔をまじまじと見るとハッとしてから言った。
「どこかで会った事があると思ったらあの時のお嬢さんかい」
大野は華子の事を覚えていたようだ。仕事柄人の顔を記憶する術にたけている大野は、華子があの日愛人と揉めた後陸と行動を共にしていたのを覚えていた。
華子は恥ずかしそうな顔をして言った。
「その節はお騒がせいたしました」
「いやいや気にする事なんてないですよ。それにしても二人は婚約したのかぁ、そりゃあめでたいなー! 今度みんなでお祝いしなくちゃなー」
「いえお祝いなんていいですよ」
「ダメダメ! だってあれだろう? 全く結婚願望がなかった陸ちゃんが結婚するんだからなー、こりゃあ一大事だぞ! 今日早速みんなに連絡入れておかなくちゃな」
大野はそう言ってガハガハと笑った。
二人はもう一度礼を言ってからその場で大野と別れた。