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私は個人で絵のモデルをやっている。けど、今日は普通のバイトだ。急病で来られなくなった友達の代わりを頼まれたのだ。仕事の内容は、遊園地の『着ぐるみ』だ。
教えらえた場所に着くと、着ぐるみがたくさん並んでいる。私もその中の一体に入る予定だ。
「こんにちわー」
と挨拶する声が聞こえてきた。見ると、若い女性が立っている。この人が依頼人かな?
「こんちには、 私が小鳥遊です」
と元気よく答えてみる。すると彼女は、
「あ! あなたが小鳥遊さんね。よろしくお願いします!」
と言ってペコリとお辞儀をした。
それにしても、遊園地と聞いたから、にぎやかな場所だと思っていたのだけど、人があまりいない。何というか……廃墟のような雰囲気だ。まぁ、気にしても仕方ないよね。仕事を始めようっと。
「人、あんまりいないでしょ。交通の便がわるいから、いつもこうなんだ」
と、最初の若い女性が教えてくれた。
「あ、でも、今日はあとから修学旅行の小学生が来る予定なんだって」
そう言って笑う彼女を見て、私は少し安心した。少し変な雰囲気を感じたけど、お客さんがいないだけなのかな。
「それじゃあ早速だけど、着替えてきてくれる?」
彼女が指さす先に更衣室があった。
「はい!」
と答えて更衣室に向かった。中に入ると、もうすでに何人か入っているようだ。どうやら私たちが一番乗りではないらしい。みんな無言のまま、黙々と着ぐるみを着ている。私も急いで着ぐるみを着た。
「小鳥遊さん、着方はわかる?」
と聞かれたので、
「はい」と答えた。
「そう。あ、あと、けっこう暑くなるから、なるべく薄着でね」
とのことなので、上はTシャツ一枚にした。下はもちろんパンツだけだ。少し迷って、ブラジャーも取ってしまった。うん、涼しい。
着ぐるみを着て外に出ると、「それじゃあ、そろそろ行きましょうか」といって彼女が案内してくれた。(続く)