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笑わないだけでいじめるとは…最低ですね。親御さんも。
笑わないだけで虐めるとか酷いぞー!
笑わないだけで虐めるとか酷いぞー!
「見ろよー!」
「笑わない女が登校してきたぞー!」
「ほんとだー!」
「ガチで笑わねーな!」
『……』
くだらないと思った。
確かに笑わないのは普通じゃないのかもしれない。
でも、面白いことがないんだもの。
普通じゃん。
そんな日々が続いてのこと。
「あんた気持ち悪いのよ!!」
信頼していた母親にも言われた。
「昔はよく笑ってたのに幼稚園生になったあたりからニコリとも笑わなくなったじゃない!」
「ほんとに気持ち悪いのよ!!」
『……』
僕は無言で家を出た。
「どこ行くのよ!」
『どこか』
『気持ち悪いんでしょ?』
『ならどっか別のところに行くよ』
「っ……」
「中学生なんだから危ない目にあっても知らないわよ!」
『……』
僕は無視して家を出た。
どうでもいいと思ったからだ。
『……』
しばらく歩くと、神社があった。
その神社は、何か普通でないようなオーラを放っていた。
「あれ?どうしたの?」
巫女らしき少女が声をかけてきた。
『別に』
「その様子、何かあったの?」
『……』
迷った末に話した。
「なるほど、そんなことが……」
『貴女も気持ち悪いって言う?』
「いや、全然?」
「笑わないのってポーカーフェイスみたいで羨ましい」
そう言って少女はニコッと笑った。
『……遥花』
「え?」
『僕は遥花、貴女は?』
「未彩だよ」
『よろしく』
「よろしくね!」
「ところでさ、行く場所ないでしょ」
彼女は私に問うた。
『そうだね』
「私と一緒に来ない?」
『いいけど…どこへ?』
「私たちしかいない場所。麗流楼水」
『……面白そうだね』
『そこでなら、笑えるかもしれない。』
『行きたい』
「ありがとう!」
こうして僕は麗流楼水に行くことになった。
えー、ただいま、速報が入りました、数年前に行方不明になった月影未彩さんに続き、本李遥花さんも行方不明になったとの情報が──
ーー2022年2月15日更新