⚠️死ネタあります!
苦手な方は閲覧おやめください🙇♀️
メンバー内の同業者を探し始めてから数日後。 阿部と深澤は、向井が裏の仕事に関わっているらしい情報を入手した。しかし情報があっても、確たる証拠がなければ実行に移ることはできない。そのため二人はなんとかして向井の裏の顔を掴まないといけない。
仕事終わりの、事務所の屋上。個人での 仕事を終えた後、二人はこれまでの情報について整理するためコーヒー片手に集まっていた。
💜「……なかなかボロ出さないね、あいつ」
💚「何か証拠が掴めたらいいんだけど」
阿部はそこまで言うと、俯いてため息をこぼす。
💚「……康二だったんだね」
弟のようにかわいがっていた向井が、まさか今回のターゲットだなんて。
💜「……俺もびっくりだよ。普段あんなに元気いっぱいで面白いのに、裏の仕事してるなんて」
深澤は俯く阿部の肩に手を回し、優しく寄り添う。その時だった。
🧡「そんなん、こっちもびっくりやで?普段優しい二人が裏の仕事しとるなんて」
驚き振り返ると、そこには冷酷な笑みを 浮かべた向井が立っていた。
🧡「詰めが甘いなぁ、お二人さん」
💚「こ、康二!?」
💜「なんでここに……?」
今日は阿部と深澤だけが仕事だったはずだ。
🧡「後輩に呼ばれてちょうど来とったんよ。そしたら、階段を上がってく二人が見えてな。ちょっと話そかな思たら、めちゃめちゃタイムリーなこと喋ってるんやもん……」
向井は、ジャケットの裏に隠した拳銃をチラリと見せつけながら言った。
🧡「裏のこと喋るんなら、もっと周りに気をつけなあかんで?」
その冷たい笑顔が、2人の背筋を凍らせる。こんなにも冷たくて恐ろしい表情をする向井の姿を、初めて見た。
何も言えずにいる阿部と深澤を見て、向井はフッと鼻で笑う。
🧡「まあ、ここでこんな話続けるのもアレやし……場所変えよか。今からここ、来てくれへん?」
そう言って、向井はとある住所が書かれた紙を渡してきた。東京の少し田舎の方にある、廃墟となった工場がある場所だった。殺し屋界隈では有名な……決闘にピッタリな場所。そんな場所を提示したということは、もう向井の覚悟は決まっているということだ。
🧡「じゃあ、また後でな」
そう言った向井の表情が、少し悲しげになったように見えて。阿部の胸は静かに傷んだ。
一人で工場の扉を開けると、強い錆の匂いが鼻をついて思わず顔をしかめる。きっと、この匂いの中には殺し屋たちの血も混じっているのだろう。大勢の人を殺しておいて、未だこの匂いには慣れない。
深澤には、連絡が入るか発砲音がするまで車の中にいるように伝えておいた。
🧡「よぉ来てくれたな、あべちゃん」
奥の方から向井がゆっくりと歩いてくる。その手にはやはり拳銃が握られている。
🧡「ふっかさんが来てないってことは、あべちゃんの方が殺し屋やねんな」
💚「そう。俺が殺し屋で、ふっかは後処理屋」
🧡「そっか、あべちゃんが……ほんまに想定外やわ」
💚「ふっかだと思ってた?」
🧡「おん。あべちゃんが人を殺すとこなんて想像つかん」
💚「俺かって、康二が人を殺すとこなんて想像つかないよ」
🧡「まあ、そうよなぁ」
ハハ、と笑いつつも向井のその笑顔には影がかかっており、阿部は嫌でも彼が殺し屋であるということを思い知らされる。
🧡「……俺な、殺し屋専門の殺し屋でな。依頼受けて、殺し屋やってる人らを殺しとんねん」
ぽつりぽつりと、向井は自身のことについて話し出す。
🧡「大阪おった時からずーっとやっとって……でも、こんな身近に殺しやってる人がおったんは初めてで」
💚「……うん」
阿部はやっとの思いで相槌を打った。
しばらくの間、工場には静寂が訪れる。その場にしゃがみこみたくなるほど重たい空気。
🧡「……俺はもう覚悟できとる。あべちゃんは?」
静寂を打ち破って、向井は問う。阿部は辛そうな表情で俯き、目をキュッと瞑る。深呼吸してから目を開き、向井を真っ直ぐ見つめる。
💚「ここに来る時からできてるよ。出来ることなら、避けたかったんだけどね」
2人はその場から数歩下がり、互いに銃を向け合う。
🧡「向こうでも、一緒におれたらいいのにな」
💚「……そうだね。俺もそうしたいな」
いてもたってもいられなくて、深澤は車を降りた。なんとかして、せめて阿部の命だけでも救わなければいけない。……銃声の音はまだ聞こえない。今なら間に合うかもしれない。
そう思って工場の入り口に体を滑り込ませたところで。
ババンッ!
銃声の音が鳴った。重なって2発。それが何を意味しているのか。
💜「あべちゃん、こーじ……!」
……間に合わなかった。
冷たい床に、阿部と向井が倒れている。2人の腹の辺りからは、赤黒い液体がじわじわと広がっている。
2人はきっと、同時に引き金を引いたのだろう。
💜「そんな、やだ、やだよあべちゃん……!」
阿部がもう目を覚ますことなどない。そう分かっていても、そのキレイな顔が再び笑うのを、再び喋るのを望んでしまう。
阿部を守らないといけなかったのに、その任務を深澤は果たすことが出来なかった。目から溢れる涙は頬を伝って落ち、床の血と混ざり合う。
💙「……康二?」
聞き慣れた声がして顔を上げる。
💜「なべ……」
💙「阿部ちゃんの後処理屋って、ふっかさんだったんだ」
💜「……うん」
「殺人」というのは、とても精神的にくる行為であり、たった一人だけでその任務を抱えるのは過酷なことである。
だから、後処理屋がいる。
殺し屋と共に殺しの任務を背負い、死体をどうにかして処理することで隠蔽し、殺し屋と同じ罪を背負う。つまりは、後処理屋は殺し屋と運命を共にする。運命を共にすることこそが、使命であるのだ。
💜「……俺たち、できなかったね」
深澤はポツリとこぼした。
💙「……そうだな」
渡辺もぽつりと返す。後処理屋として、この後どうするべきか。2人はもう理解していた。
一言も発することなく遺体を工場の裏にある古ぼけた小屋に運び込む。
その後彼らは既に亡き2人に寄り添うようにして、静かに命を絶った。
とあるマンションの部屋の中、テレビの画面だけが光っている。
画面越しに淡々と原稿を読んでいたニュースキャスターが、新しい原稿を受け取りかなり緊迫した様子で言った。
「……たった今入った速報です。東京都**にて、人気アイドルグループ・SnowManのメンバー4人の遺体が発見されました。4人の遺体はそれぞれ、深澤辰哉さん、阿部亮平さん、向井康二さん、渡辺翔太さんと見られています。山中の小屋で見つかったことから、警察は集団自殺として……」
プツッ。
突如電源が切られ、部屋は完全な暗闇に包まれる。
?「……これで、あと4人」
さっきまでテレビを見ていた男はそう呟き、部屋の外へ出ていった。
コメント
3件
え、あと4人ということは……うわぁ、もしやもしやあの腹黒ーい方が??えー😱と、勝手に1人先読みして、震えております💦怖い((((;゜Д゜)))けど、続きが見たい🫣♡