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俺は古着屋に来ている。小さい頃からの友人のミズキとともに。

その古着屋には、アメリカから直接輸入された古着が並んでいるという。

ミズキは大の古着好きで、今日この古着屋に来ている理由も、こういう場所に掘り出し物があるからという理由であった。


大量にハンガーにかかっている服を見ていると、ミズキが一着の茶色のジャケットを取り出して、俺に見せながらこう言った。

「このジャケット、タカトが着たら超似合うと思うんだけど。着てみてよ!」

俺はミズキに言われるがままに試着室に行き、ジャケットを羽織ってみた。

確かにとても俺に似合っている気がする。ミズキもジャケットを着た俺の姿を見て、「絶対買った方がいいよ!運命感じるわ。」と言った。

そこまで値段が高くもなかったので、俺はそのジャケットを買うことにした。


帰りはミズキの車で、俺と彼女のマナミが住む家まで送ってもらっていた。

昨日は夜遅くまで仕事があったからあまり寝ていない。俺は車に揺らされながら、寝てしまっていた。


~~~


気づくと俺は家にいた。しかし全く俺には見覚えのない家。しかも雰囲気が日本ではなく、アメリカンな感じである。

俺は寝室へと歩いていっていた。俺の意思ではなく、誰か他の人物が体を動かしているような感覚である。

そして寝室に入ると、髪の長い金髪の外国人の女の子が、裸になってベッドに横たわっていた。そして俺に向かってこう言った。


「Henry, let’s spend the night together soon.(ヘンリー、早く一緒に夜を過ごしましょう)」


俺はほとんど英語がわからないのだが、不思議と彼女の言っている言葉の意味が分かる。俺は彼女にこう返した。


「Rose, let’s have a hot night.(ローズ、暑い夜にしよう)」


そして俺は服を脱ぎ、彼女のベッドに入った。脱ぎ捨てた服の中には、俺が買ったあのジャケットも見えた。そして行為を始めようとしていた。


~~~


「おい、タカト!家に着いたぞ!」

ミズキの声で目が覚めた。夢だったのか。でも、夢にしてははっきりとしていた。まるで現実で見ている光景のように。

それに夢に俺が今着ているジャケットが出てきていた。何だか不気味である。俺はミズキにお礼を言い、家に入った。


「おかえりタカト!あら、そのジャケットいいじゃない?」

俺が帰るとマナミはこう言ってきた。やっぱりこのジャケットを買ってよかったと思いつつ、俺はこう返した。

「ただいま。ミズキが選んでくれたんだよ。似合ってるだろ?」

俺の言葉に対しマナミは「ミズキはオシャレだから間違い無いよ」と言った。


俺とミズキとマナミはいわゆる仲良し3人組というやつだ。小中高、大学生時代はほとんど一緒に過ごしてきた、いわゆる幼馴染。

ただ、俺はマナミのことが友達としてではなく、異性として好きになっていた。

俺がミズキにそのことを打ち明けると、ミズキは俺がマナミにプロポーズができるように、大学卒業旅行を企画してくれた。

そして旅行中に俺はマナミにプロポーズをし、OKをもらうことができて現在に至るという訳である。だから俺はミズキに頭が上がらない。


夜ご飯を食べ、マナミとソファに座り録画していた映画を見ていた。気づいたらマナミは寝落ちしていた。

気持ちよさそうに寝ているマナミを見ていると、俺も何だか急に眠くなってしまい、マナミに寄りかかるように眠りについた。


*ここからは読み手の読みやすさと筆者の労力を解消するために、英語で喋っているシーンを全て日本語で書かせていただきます。


~~~


昼に見た夢と同じ部屋に立っている。正面には昼の夢で行為を共にした女性が立っており、俺?にこう話しかけてきた。

「会社に行くのね。寂しいわ。」

彼女の言葉に俺(ヘンリー)はこう返す。

「できるだけ早く帰ってくるよ。愛おしい君を待たせたりしないさ。」

そう言い彼女のほっぺにキスをした。


前回の夢では気づかなかったが、ヘンリーも彼女(ローズ)も結婚指輪らしきものをしている。新婚なのだろう。

そして斜め左に見えるクローゼットには、例のジャケットが掛かっていた。そしてヘンリーはそのジャケットを羽織り、家を出た。

すると景色に白いモヤがかかり、モヤがあけるとオフィスにいて、パソコンを打っていた。そして同僚らしき男が近づいてきてヘンリーにこう言った。

「ヘンリー、ローズさんとの新婚生活はどうだい?あんな可愛い嫁がお前にできるなんてな。羨ましいよ。」

ヘンリーはこう返す。

「まぁ控えめに言って最高さ。ロイも早く彼女を見つけて結婚すればいいじゃないか。」

ロイはこう返した。

「そう簡単なもんじゃない。それにお前みたいに付き合い始めてすぐに結婚できるほど勇気がないよ。でも今のヘンリーを見てたら俺も勇気出してみようかなって思ってしまうね。」


ヘンリーのデスクにはローズとの2ショット写真が飾ってある。写真を眺めているとロイは「仕事に戻るわ!」と言い、疲れからか赤くなった目を擦りながら向こうに行ってしまった。

彼も大変なのだなと思っているとまた目の前に白いモヤがかかり、モヤがあけたらバーらしき場所にいた。隣には上司らしき男が座っている。その男はヘンリーにこう言った。

「どうだいヘンリーくん。ローズとの共同生活は。」

ヘンリーはこう返す。

「最高ですよお義父さん。いえ、すみません。ルイス課長。」

ルイスは笑いながら返す。

「ハハハ、別にお義父さんでも構わんよ。私達は家族になったんだからな。」

ルイスはこう続ける。

「ローズは私の1人娘だ。妻が早くに死んで、これまで男手独りで育ててきた。ローズには大変な思いをさせてきたんだ。だからこれからはどうか、君がローズを幸せにさせてあげて欲しい。」

ルイスの頼みを聞いて、ヘンリーは返す。

「心配はいらないですよ。僕ならローズを幸せにできます。」


ルイスは「ありがとう」と呟き、グラスに残っていた酒を飲み干すとこう言った。

「ところでヘンリーくん。君が今着ているそのジャケットカッコいいじゃないか。前から持っていたか?」

「いえ、最近古着屋で買ったんです。一目惚れしましてね。ルイス課長も着てみます?」

ヘンリーはジャケットを脱ぎ、ルイスに着させた。ジャケットはルイスにも似合っていた。

「僕より似合ってますよ!よかったらあげましょうか?そのジャケット。」

ルイスもジャケットが気に入っている様だ。喜んでいる様子のルイスを見ながらヘンリーは続ける。


「でも一つ気になることがありまして。そのジャケットを手に入れてからというものの、変な夢を見る様になったんですよ。どこかの青年の見ている景色を追体験している様な。その男の子もこのジャケットを着ているのですよ。何だか不気味な夢です。」

ヘンリーの心配に対してルイスはこう返す。

「ジャケットとは関係ないんじゃないか?たまたまだろう。まぁ、その変な夢は早く見ない様になればいいが。」



こうして例のジャケットはルイスの元へと渡ったのであった。

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