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赤いきっぷ(あらすじ)
旅行を終えたごく一部の人々のもとに、ある日突然「赤い一日切符」が届く。見覚えのある切符なのに、そこに刻まれた日付は未来の一日。
受け取った者が切符を携えて再び旅に出ると、なぜか予定とは違う経路を辿り、地図にもない景色へと導かれる。湖畔に浮かぶ無数の灯り、丘の上から見下ろす街の夜景、霧に包まれた渓谷、夜桜に覆われた駅──どの場所も現実から少しだけずれた、美しくも不気味な風景だ。
けれど泊まるホテルや予約は崩れず、旅は確かに続いていく。人々はそこで「二度と戻れない瞬間」を体験し、やがて帰還するが、口をそろえて「景色が少し違っていた」と語る。
赤いきっぷは、幸運か、それとも見えない力に誘われる招待状か。物語は、十人の旅行者がそれぞれ手にする奇妙な旅路を描いていく