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約束の時間になると、理紗子は着替えてロビーまで降りて行った。

今日も天気が良いので日焼け止めクリームを念入りに塗る。

ロビーに行くと既に健吾が待っていた。


健吾の服装は理紗子と同じカジュアルスタイルで色も同系色だ。

理紗子と少し違う点は、健吾は濡れても大丈夫なウォーターシューズを履きサングラスをかけていた。

理紗子が近づくと健吾は理紗子の足元を見て言った。


「靴はそれじゃ濡れちゃうぞ」


健吾はそう言って理紗子の手を取るとホテルの売店へ連れて行った。

そして店内のビーチサンダルコーナーまで行くと理紗子に合いそうなサンダルを選び始めた。


「色はこれでいいか?」


サイズはどんぴしゃりだ。なぜわかったのだろうか?

健吾が手にしているサンダルはショッキングピンクの派手な物だったので、


「こっちでお願いします」


理紗子はその隣りにあるブラウンベースに鼻緒がピンク色の落ち着いた色合いのサンダルを指差した。

健吾は頷くと、レジに持って行き会計をしながらタグを切ってくれるよう店員に頼んでいた。

そしてサンダルとビニール袋を手にして戻って来た。


「今ここで履き替えて」


理紗子が言われた通りにサンダルに履き替えると、健吾は理紗子が脱いだスニーカーをビニール袋へ入れてフロントへ預けた。


「じゃ、行こうか」

「あ、はい、よろしくお願いいたします」


理紗子これから体験する未知の世界に少しドキドキしていた。


ホテルを出た二人は、健吾借りていたレンタカーへと向かう。

理紗子は健吾の後をついて行きそのレンタカーを見た途端びっくりして声を上げる。


「レンタカーで、真っ白なベンツのオープンカー?」

「いいだろう? まさに小説のネタにもってこいだ!」

「…………」


理紗子が絶句していると、


「君は運転出来るの?」

「免許はありますがペーパーです。でももし運転出来たとしてもこの車は絶対に運転しませんっ!!!」


理紗子が鼻息を荒くして言ったので健吾はクックッと笑いながら理紗子に言った。


「写真は撮らなくていいの?」

「あっ!」


理紗子は慌ててスマホを取り出しオープンカーの写真を何枚か撮った。


それから二人は車に乗り込み、釣り船の出る港へと向かった。


今日は湿度も低く風が心地良いので、健吾は車のトップを開けたまま車を走らせる。

そうすると離島の緩い風が肌に触れてとても心地良い。


「私オープンカーって初めて乗りました。風が気持ち良くて最高ですね」


理紗子はオープンカーがこんなに快適だとは知らなかった。

顔を上に向ければ、そこには真っ青な離島の空が見える。

そして道両側にはエメラルドグリーンの海とサトウキビ畑の緑が広がっている。

澄み切った海がキラキラと輝く様子や、吹き渡る風が緑の葉をサワサワと揺らす光景はなんとも癒される。


(ここはやっぱり天国だわ!)


理紗子は今素晴らしい自然に囲まれて、身も心も解放感に浸っていた。

この島にいる間は、締め切りや雑用に追われる事がないのだ。

まさに理紗子にとっては天国だった。


ニコニコとご機嫌な理紗子をチラリと見た健吾も、満足そうな表情を浮かべていた。


車が五分程走ると小さな漁港に着いた。

港にはいくつもの漁船と釣り船が係留している。

健吾は漁港の駐車スペースに車を停めた。


二人が車から降りて釣り船に近づくと、中から一人の男性が降りて来た。


歳は理紗子よりも少し上くらいだろうか?

髪は茶髪で短く刈り上げ、船の名前が入った黒いTシャツにカーキ色の短パンを履いている。

真っ黒に日焼けした男性は、笑うと真っ白な歯が見えてチャーミングだ。


「健吾さんお久しぶりです! 四ヶ月ぶりですね」

「ヨシ君、今日はよろしくね! あれ? もうそんなに経っちゃったか?」

「ですよ。前はゴールデンウィークの後でしたから」

「そうかー! あ、今日は彼女と一緒にお願いします。水野理紗子さんです」


健吾が理沙子を紹介したので、理紗子は、


「水野です。よろしくお願いします」


と挨拶をした。

するとヨシと言う男性は、


「はじめまして、下地吉彦です。釣りは初めてと伺っていますが、今日は貸し切りなので安心して楽しんでくださいね」


ヨシは理紗子に向かって笑顔で言った。

それから船に向かって声をかけた。


「おーい美也子!」

「はーい! 今行きまーす」


その声と共に船から女性が降りて来た。

女性は明るい色の髪を後ろで一つに結び、ジーンズ地の短パンにピンク色のTシャツを着ている。そして頭にはジーンズ地のキ

ャップを被っていた。

小麦色に日焼けした肌がとても健康的な可愛らしい女性だった。


「妻の美也子です」


ヨシは美也子を紹介した。


「こんにちは! 今日は私もご一緒させていただきますのでよろしくお願いいたします」


美也子はそう言うと二人に微笑んだ。

理紗子は女性が一緒に船に乗ると知り嬉しかった。


「水野理紗子です。釣りは初めてなので色々とご迷惑をおかけするかと思いますがよろしくお願いします」

「理紗子、美也ちゃんは確か君と同じ歳だよ」


その時健吾が自分を呼び捨てにしたので理紗子は驚く。

しかしそこでこう思った。


(そうか! こういう場所でも偽装恋人を演じる必要があるのね)


そう察した理紗子は何事もなかったかのように美也子に聞いた。


「おいくつですか? 私は29です」

「同じです! うわぁ、なんか嬉しいです」


美也子はとてもフレンドリーな笑顔を理紗子に向けた。

この作品はいかがでしたか?

260

コメント

3

ユーザー

完璧なエスコートぶり&さりげなく名前呼びもしちゃうスパダリ男健吾さん♥️♥️♥️🤭

ユーザー

あぁ〜ん💖ここでもさりげなく「理紗子」呼び〜✨理紗子ちゃんの『ために』車からなにかな何まで手配をする健吾、どんだけ夢中なの〜スキスキビーム!!(ノ*´з`)ノ・‥…━━━★届け〜っ⭐️

ユーザー

さすがスパダリ健吾は理沙ちゃんの買い物も抜かりなし❣️ 名前呼びでヨシさん、美也子さんのと一緒に石垣島での健吾との楽しいバカンスの始まり〜🏝️🎣💏

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