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「あら、アオイ、お帰りなさい」
どうにか部屋の場所を思い出してノックすると奥からアンナさんが出てきた。
「はい、えと……ただいまです」
「うん、ほら入りなさい?」
「お邪魔します」
「あんた、今さっきまで「ただいま」って言ってなかった?」
そんなこと言われても……なんかこう、まだ抵抗がある。
「まぁいいわよ、元々「ただいま」すら、言わずに入ってきてたから」
まじか、いや、まぁ記憶はすこしあるんだけど、あの時は本当に何も考えてないから記憶が曖昧なんだよなぁ。
「さて、と、先にシャワー浴びるわね」
そうしてアンナ先輩は脱ぎ出した……ちょっとまてえええええ!
「え、あ、え?」
「何よ?」
「その、何であっちで脱がないんですか?」
「は?逆に何で男もいないのにあっちで脱がなきゃいけないのよ」
ぐ……確かに俺は女だけど、身体だけだからね!?
こう言うときどうしたら良いか分からないのでとりあえず見ないようにした。
「わ、わかりました」
「変なやつね、いや元々変な奴だったわね」
ちくしょう!変な奴って思われてた!
アンナ先輩が脱いでる音が聞こえてくる。
「……」
「逆に見られないと意識されてるみたいで嫌なんだけど」
「お気になさらずに!!!」
うおおおおい!そんなこと言われてもどうしたらいいんだよ!?
「????、ま、いいわ、じゃぁ入ってくるわね〜」
「は、はい!」
そう言ってアンナ先輩はお風呂へ向かっていった……ふぅ。
「なんとかなったぁ……」
正直女の身体を見たところで恥ずかしいとかは思わない。
あるとしたら…………罪悪感。
「はぁ……」
バフっ
っとベッドという最強の発明品に横になって……幸せを堪能する。
こうしてフワフワしたベッドに横になると元いた世界を思い出す……いかん、ホームシックになりそうだ!
「ダメダメ!今の現実を見ないと!」
「なーに1人で言ってるのよ?」
「あ、アンナ先輩」
アンナ先輩は部屋着になっていつのまにかこっちに来ていた。
「何でもないですよ」
「何でもないのに独り言言うわけないじゃない?明日の事でも、考えてたの?」
そういえば明日から他の人の所にレンタルされるんだった。
レンタルのレンタルってそれDVDとかでしたら犯罪だけどね。
「明日の人って……」
「どんな奴か聞きたたい?まぁ知ってた方がいいわね」
「お願いします」
「名前はモグリ、この町の大富豪よ、そのお金で奴隷を買って、殺したり、痛めつけたりして遊んでるみたいなのよ」
「えぇ……」
「ある時は小さな子供を魔物の一杯いるところに置いてきぼりにして魔物の餌にしたり、またある時は小さい子供奴隷を無理やり拘束して変な薬をうって楽しんだり、その他、自分の奴隷が足りないからって奴隷達を兵士のように鍛えて奴隷商をそいつらに出撃させて襲ったり、噂の絶えない悪人よ」
「ぼ、僕なんでそんなところに!?」
「私もびっくりしたわよ」
「本当に大丈夫なのかな……」
「大丈夫よ、胸やお尻なんて只の脂肪のかたまり何だから減るもんじゃない」
「そうだけども……」
「門番してた時はあんだけヤらせてたんだから気にしないでしょ?」
「人をビッチみたいに言わないでください!?まぁ……あの時は……」
オボエテナイナ
「ま、何とかなるわよ、こっちはこっちでマスターの面接が最近行われてるからそろそろ何人か奴隷が入れ替わるんでしょうね」
そういえばペロル先輩も呼ばれてたな、あれは面接だったのか、ふーん、奴隷もそんな感じでリストラされたりするんだな。
……あれ?
「落とされた奴隷はどうなるんですか?」
「……解らないわよ……ほら、あんたもシャワー浴びて色々して寝なさい?明日から少しお別れね、頑張るのよ」
「は、はい、ありがとうございます」
そうして俺はシャワーを浴びに行った。
………………!
シャワーが出せる!!!