TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

目の前には怒りに目を輝かせているリヴァイアサンがいて、俺の傍らにはアリサとサリナが立っていた。


「コウ! こうなったら力を合わせて戦うしかないっすよ!」


「元凶のお前がそれを言うなっ!」


「うぐっ……それを言われると……」


何せ、リヴァイアサンの封印を破ったのもここに連れてきたのも目の前にいるサリナなのだから。


「だが、まあ……。時間を稼いでくれたお蔭でこれを手にすることができた」


先程まで決して隙をみせなかったので後手に回ってしまったが、亜空間から魔導剣を取り出すことができたので、今なら互角に戦うことができる。


「サリナは正面から、俺は側面から攻撃をする。アリサは一応サリナのサポート!」


「わかったわ!」


「わかった……って、えぇっ! 私が正面っすか!」


コロコロと表情を変え、やかましくするサリナ。

危険な事態だというのに笑っている。サリナは根っからの戦闘狂なのだろう。


「ええいっ! 仕方ないっす! コウが私を信頼してくれているならそれに答えるだけっすよ!」


サリナはそう言うと正面から突っ込んでいく。


「本当に考えなしに突っ込んだ!? もうっ! 風の障壁よっ!」


サリナの周囲に風の膜が発生する。


「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」


リヴァイアサンがサリナに気を取られている間に、俺は全魔力を魔導剣につぎ込むと側面から攻撃を加えた。


「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!?」


「うわっ、動きが読めないっす!」


魔導剣がリヴァイアサンの皮膚に食い込んでいる。これまでのモンスターと違い一撃で倒すことはできなかったが、それなりに深手を負わせることができた。


俺はエリクサーを口に含むと魔力を完全回復させ、その場から離脱して姿をくらます。


「GOAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」


怒り狂うリヴァイアサンだが、俺の動きについてこれないのか見失った後もサリナを無視して俺を探している。


「ボディががらあきっすよ!」


オーラを纏ったサリナが拳を突き入れる。


「GOAA!」


「ありゃ、あんまし効いていない?」


一瞬、リヴァイアサンは止まるが、それほどダメージを受けた様子がない。サリナは口が大きく開いたリヴァイアサンの前に立っている。


「いやああああっ! 私を食べても美味しくないっすよおおおお!」


叫ぶサリナに苛立ったのか、リヴァイアサンは大きく口を開くとサリナを丸呑みしようとする。


「ナイスだ、サリナ!」


他を狙う時だけは隙だらけになる。俺はリヴァイアサンの首に魔導剣を突き立てた。


「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」


「いけるっ!」


サリナがリヴァイアサンの集中力を奪い、俺が傷をつける。このやり方ならば倒すことができる。


そんな風に考え、エリクサーを飲みながら高速で攻撃をした。


「GO……A……A……」


後少しで倒せそうになったところ、


「ミナト、トドメをお願いっ!」


アリサが魔力を飛ばしてくる。俺は一瞬でその意味を理解し、魔導剣で受け止める。


「俺とアリサ『と私っす』の全力を込めた一撃!」


途中、余計な人物が割り込んで来たが無視する。

おれは魔導剣を振りかぶると、リヴァイアサンの首を落とした。




「はぁはぁはぁ、しんどかった……」


「本当よ。生きた心地がしなかったわ」


リヴァイアサンが沈黙すると、俺とアリサは互いに背を預け休憩をしていた。


「それにしても、本当にとんでもないなあいつ。俺たちがいなかったらどうなっていたことか……」


何かするたびにトラブルを持ってこなければ気が済まないのか、俺はサリナに文句を言おうと姿を探すのだが……。


「アリサ、サリナは?」


「知らない。見てないわよ、最後の攻撃の時、リヴァイアサンの近くにはいたけど」


俺はリヴァイアサンの方に顔を向けると……。


「あそこでおぼれてるのってまさか……」


「嘘でしょ、やっと戦闘が終わったというのに」


リヴァイアサンに押しつぶされてバシャバシャと暴れているサリナがいた。

俺たちは慌てて彼女を救うため、最後の気力を振り絞るのだった。

loading

この作品はいかがでしたか?

42

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚