テラーノベル
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陸が目覚めると夕方の6時だった。隣の華子はまだ眠っている。
陸は自分の胸の上にある華子の左手をそっと持ち上げると、薬指に輝く指輪にチュッとキスをする。
その時華子が目覚めた。
「……ん? 何時?」
「6時少し前だ」
「えっ? もう6時なの? 起きなくちゃ! 今日は私が夕食を作ろうと思っていたのよ」
「それで買い物に行ってたのか?」
「うん、そう」
華子はそう答えると身体を起こした。
「シャワーを浴びてから食事の支度をするわ」
「よしっ! じゃあ一緒に入るか」
「駄目ーっ! 陸と一緒に入ると長くなりそうだもの」
華子はフフッと笑って言うと、陸が先ほど脱いだTシャツを着てからベッドから降りた。
そしてチェストから着替えを出すと、
「陸はもうちょっとゆっくりしていてね」
と言い寝室から出て行った。
ダボダボのTシャツを着た華子の後ろ姿はなんともいえない愛らしさで、陸は思わず目を細める。
そして華子がいなくなったベッドの上に仰向けに寝転がった。
窓の外は、ちょうどブルーモーメントのショータイムだ。
空全体が群青色に染まり、地平線近くにはオレンジ色のグラデーションが広がっていた。
とても美しい光景だ。
陸は沈みゆく夕日を眺めながら、
(俺は華子を愛していたんだな)
その時ちゃんと自分の気持ちに気付いた。
おそらく華子に初めて会ったあの日から、陸は華子の事が気になっていたのだ。
そして日々華子と接するうちに彼女の事を愛し始めていたのだ。
自分の気持ちにはっきり気付いた陸は、
(子猫みたいな魔性のオンナにやられちゃったか)
陸はフッと頬を緩めた。
手早くシャワーを終え身支度を済ませてから、華子はすぐにキッチンへ向かった。
一度寝室へ戻り、化粧をすべきかどうか悩んだが、今さら陸の前で格好をつけてもしょうがない。
時間がないのでこのままスッピンでいる事にした。
華子が化粧をしないと、五歳ほど若く見える。
先ほど陸に愛されたお陰で、華子の肌はツヤツヤと潤っていた。
玄関で陸にキスをされた時に廊下にそのまま放置していた食材は、特に傷んだ様子もなかったのそのまま使う事にした。
そして今夜のメニューをもう一度練り直す。
その結果当初予定していたメニューを少し変更し、手早く作れる物だけにした。
とにかく華子ももうお腹がペコペコだ。あれだ体力を使ったのだから当然だ。
キッチンへ行くと華子はすぐに料理を始めた。
その夜華子が作ったメニューは、
●ほうれん草とベーコンのキッシュ
●サーモンとチーズのマリネ
●ミートドリア
●コンソメスープ
だった。
時間短縮の為に、ドリアのミートソースは市販のレトルトを使用した。
マリネも和えるだけ、コンソメスープもインスタントスープで代用したのであとはキッシュを作る事に専念する。
キッシュはとても美味そうに仕上がった。
陸がゆっくり風呂に入っている間に食事の準備は全て終わった。
陸がバスルームから戻って来ると、
美味しそうな料理がテーブルの上に並んでいる。
「短時間で凄いな…マジで料理出来るんだな」
「今日はレトルトやインスタントを使ったから手抜きよ」
「俺にはそうは見えないぞ…こりゃあワインを開けなくちゃだな。今日は白にするか?」
「うん、白がいい」
華子のリクエストで陸はワインセラーから高級白ワインを取り出す。
そしてグラスと共にテーブルへ運んだ。
二人は向かい合って座るとワインを開けて乾杯し、早速華子が作った夕食を食べ始めた。
改めて陸と向かい合って座るとなんだか気恥しい。
油断すると華子の頭の中には、陸の男らしい手つきや身体の動きが蘇ってきてついドキドキしてしまう。
華子は、男性からあんなに濃密に愛されたのは初めてだった。
重森や愛人・野崎とのセックスは、どちらかというと華子が奉仕する率が高かった。
(全ての女は自分に尽くして当然)
そう思っている男達とのセックスは、
「こんなもんなのかな…?」
と思う程度で、心から満たされる事はなかった。
しかし、今日華子は驚いていた。
それは陸と愛し合った数時間の間、華子が陸に尽くす事は一度もなかったからだ。
華子はただ陸からもたらされる溺れるような快感に身を委ねているだけでよかったのだ。
それなりに経験のある、歳の離れた男性のテクニックは想像を絶していた。
華子は陸の極上のテクニックにすっかり翻弄されていた。
その証拠に、ちょっと油断をすると先ほどの力強い愛撫が頭の中に蘇ってきて華子の身体を疼かせる。
(駄目よ華子、今思い出したら駄目!)
華子は気を逸らすように「コホン!」と一度咳をすると、食事に集中した。
コメント
2件
初めて愛し合った後の夕食🌃🥂🍴 華子チャン、女子力高く 手際が良いね.~✨ 陸さんは、彼女のそんなところにも惹かれちゃったのかな⁉️♥️ 食卓についても、先程の セクシーな陸さんの行為を思いだし ドキドキしちゃう華子チャン....( 〃▽〃)♡ ♡ ♡ きっと陸さんも、華子チャンの色っぽい湯上がりスッピンを見て ドキドキしてるよ~😍💕💕( *´艸`) キャア-(*/□\*)( 〃▽〃)もぉ~ラブラブなんだから~💘🤭😁 ゴチソウサマ~~💏😘♥️♥️♥️🤭
陸さんは華子を思う存分愛したら自分の気持ちがストンと降りてきたんですね🌌かわいいおじゃらけ子猫🐈⬛の華子が思いの外第一印象〜見た目とはかなりのギャップで、気付かぬうちにハートを射抜かれてたんですね🤗💞❣️ でもそれは華子も同じで衝撃のプロポーズから陸さんが誠実に華子だけを見てくれて一心に愛を注いでくれる存在だって気づいたんだね😉💕 もぅ、羨ましい〜✨の一言に尽きるよ🤭🫰💓