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【ののちゃんはそっち系は似合ってないと思うよ】
【こっちのピンク色の方が似合うんじゃないかな?】
そんな声が頭に響き、
「私の勝手でしょ!!」
と声を上げる。
そして見なれた景色に気づく。
しかも今の嫌な声は夢だったということにも気づいた。
「またこの夢…」
「昼寝でも見るのか…」
ため息混じりでそんな呟きを零す。
でもこんな時こそゲームゲーム〜♪
私のお気に入りのゲーム『ピクテス020』
一応RPGゲームなんだけど、
アバターの見た目が数万種類あって
最高なんだよねこれが…
しかも毎月、
アバターコンテストっていう大会があって、
運営側が今人気のアバターをランキング式で
選ぶのもある。
それの1位を取り続けてるのがこの私!
私の最近流行ってるアバターは全身真っ黒コーデで首には蛇を巻いてる。
それで顔には黒の狐の半面。
私のアバターは黒狐設定なんだけど、
尻尾を出すのが何だか恥ずかしく思えて
隠している。
Theシンプルって感じのアバターなんだけど、
これにちょちょいと秘密を混ぜ込むんだよね〜…
今日の秘密は〜、なんと!
瞬間移動ができまーす!!
瞬間移動って言ってもただ単に動きをMAXまで上げているだけなんだけど。
《kurolokuさんこんにちは〜》
ふとパソコン画面にそんな言葉が表示される。
テンションMAXでいきたいところだけど
キャラ崩れそうだし今日もこう返事しようかな。
《syake鮭さん、今はこんばんはじゃないすか?(笑)》
男性らしく、時に女性らしく。
そうするとみんな不思議な私に引かれるってわけ。
《そうでしたね(笑)》
この人はランキング3位を守ってる
syake鮭_nekotekiさん。
どうして、こんな名前なのか聞きたいけど私も人のことは言えない。
「今日もビジュ最高…」
そんな声を漏らしながら画面に映るsyake鮭さんのアバターを見つめる。
syake鮭さんはいつもケモ系のアバターで、
えっぐ可愛い女の子のアバター。
《それより今日のアバターどうですか?》
クルクルと2回ほど回った後、
こちらを向いてポーズをとる。