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すみません多忙っす…()
「気をつけ、礼!さよーならー」
日直が帰りの挨拶をした瞬間、生徒たちは教室を出ていく。だけど、ある5人組は何故かまだ教室に居た。
「猿!明日、なんか予定あるか? 」
「山先生を付けろ、希。別に先生は先生の仕事するだけだが…?」
5人組と言うのは、希、鬱、豚平、呂戊太、捏島のことだ。いつも一緒にいて、話している。特に希は俺を散々煽ったり悪戯をしたりしてくる生徒。
「そっかぁ…」
「…一応理由は聞く、何でだ?」
「!明日土曜日やん?で、ロボロとシッマと大先生とトントンとお出かけするんや!」
「ほう、それで?」
「それで、ロボロの兄ちゃんもいれて行くんやけど…兄ちゃんだけじゃ不安で」
「それで俺が…?先生は無理かもな」
無理と言うと、5人はしょんぼりとした顔をして俺を見てきた。
子供って、何故か先生と遊びたがらないか?なんでだろう。
「…まあ、じゃあいいよ」
「やったぁっ!じゃあ明日…午前10時に駅集合な! 」
「はいはい」
正直、明日は仕事がないし最近疲れていた。それに呂戊太の兄貴だけでも心配だし…てか、兄貴と会ったことはないけどな。
「じゃあ、帰れよー 」
「さよならせんせー!また明日!」
「はぁ…」
今の時刻は9時50分。ちゃんと10分前に駅に到着した。別に張り切ってる訳ではないけどな、違うけどな??
俺の服装は、黒いパーカーにニット帽。パーカーの柄はお猿さんだ。可愛いな…!
「あ、猿!」
「猿って言うな。てか希早いな」
「猿の方が早かったやん!てか、えっと…パーカー…」
「?ああ、このパーカー?猿可愛いだろ 」
「いや、ださい」
「はあ?猿が可哀想だぞ…」
学校で話しているように雑談をしていると、遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「せんせー!」
「らだ男先生!ゾムもいるやん!」
「早いなぁ… 」
「先生!」
鬱、捏島、豚平、そして呂戊太。呂戊太の横にいるのが兄貴__
「は…?」
「ん?どうした猿」
「エッ…??」
「兄さん?」
「え、先生?」
「??」
「え??? 」
どう見たって見覚えがあった。
…呂戊太の兄貴って、まさかだけど
「天乃…?」
「何でらだぁ居るの!!?」
まあ名字は一緒だけど!!
「えーと…猿山先生、説明」
「あ、ああああぁすまん… 」
「どんだけ動揺してん?まさか知り合い?」
「そのまさか」
「OMG」
「あ、えっと。呂戊太の兄貴…天乃絵斗?」
「うん、兄さんだけど…?」
「実はね!俺たち幼馴染みなんだ~~!!」
「………ん?/え?/??/はい?/ほえ?」
「いやまあびっくりするかもだけどね!ほんとなんだ!ね、らだぁ」
「まあそうだな…」
5人は顔に “ ? “ を浮かべて固まっている。まあびっくりするのが当たり前だが…こんなことあるんだな。がはっ
「え!え!じゃあ遊びながら二人のエピソードとか聞きたい!!」
「遊ぶって何処なんだ?」
「最近できたかき氷屋さんに行くんや」
「ほえ…」
なんか駅の近くにできたって噂は聞いていたが、そこに行くのか…
「じゃ、行くぞ~!!!オンマイウェイ!」
「オンマイウェイ!!」
「…んふふ」
「あ、らだぁ笑った!」
「笑ってねぇし」
「あと少しで着くかな…」
「意外と遠いな」
「まあ、いい運動やん!」
「俺もう無理…」
「大先生…w」
小学生がいい運動とか言うんだ…捏島真面目だなぁ。
だけどかき氷屋が見えてきた。
「らだぁ、疲れた…」
「刑事がそんな体力でいいのか?」
「ぐう…」
こいつ、本当に刑事か?刑事って体力使いそうだけどな…?
「じゃあ撫でて!」
「もう大人だろ」
「じゃあ歩かないっ」
「…はいはい」わしゃわしゃ
「んへへーっ」
…5人の視線が凄い、すっごい視線。
「なんだぁ?」
「いや、いちゃってるなと」
「…まあ、幼馴染みだし」
「あ!着いたよみんな!」
「お洒落やな…」
正直こんなにもお洒落だとは思ってなかった。ただ生徒と遊ぶだけだと思ったらこんなことになるとは…
かき氷屋は少し空いていて、中には人が結構いるが並んではいなかった。
「入ろ!」
「ん」
店に入ると同時に良い匂いが漂ってくる。かき氷を食べている人たちの顔は全員幸せそうな顔をしていた。
「7名様でよろしいでしょうか?」
「はい!」
「凄いなぁ…おしゃれ 」
席に案内してもらい、椅子に座る。
生徒たちはかなり興奮していて、目を輝かせながらメニューを見ている。…まあ天乃もだけどな。
「!俺これがいい!」
「800円…呂戊太、お兄ちゃんが出してあげようか?」
「えっ、だけど申し訳ないよ…?」
「いいよいいよ!みんなの分も出してあげるから!」
「刑事太っ腹~~!」
相変わらず変わってない…いや、変わってるか。学生時代は俺が世話してたしな。成長してんだな…
「らだぁの分も出すね!」
「俺はいいよ。自分で出すし」
「いいのいいの!」
「…わかった」
それぞれ注文を終えて、雑談をしていると希が俺にとっては嫌なことを言ってきた。
「あ!刑事と猿のエピソード聞かせてや!」
「確かにな!!」
「シッマうるさい」
「聞きたい!」
「俺も~」
「…いやだ」
嫌、とちゃんと伝えると天乃がにこにこしながら俺を方を見てきた。
「いいよ~!!」
「やったぁ!」
「…俺は話さないからな、天乃が話せ」
「んふふ…じゃあ話すね」
せめて俺は話したくない。学生時代のエピソードなんかしられたくないからな。
「らだぁはね、えーと…確か小学生のころ、将来の夢について語りあったんだ…」
「刑事かっこつけてるな」
「かっこつけてないもんっ!で、俺は刑事だったの!で、らだぁが警察官か学校の先生でさ!」
「二人とも叶ってますね」
「…で、何でその夢がいいの?って聞いても答えてくれなかったんだ」
「えー!何でなん?」
「それを今から聞くんだ!」
「…は?」
最悪だ、俺に話を振ってきた。
…しかも、理由は言いたくない、とくに生徒には。猿山家が関連してるし…
「教えて!教えて!」
「ただ、なりたかっただけ…」
「ちゃいますよ!理由ですよ!」
あー…最悪最悪…
「…え、じゃあ猿はなんの理由もなかったんや!w」
「あ?」
弱い者を助けたかった。
俺みたいなやつを助けたかった。
縛られている生徒を助けたかった…
「俺みたいになってほしくなかった」
「え?」
「あ…」
口が滑った、まずい。非常にまずい。
俺みたいなクソみたいな経験をしてほしくなかった。
ただ、それだけ…だけど、猿山家のことは言いたくない。
「どういうことです…?」
「らだぁ…」
「あー、えっと…」
「失礼します、ふわふわサマーストロベリーかき氷です」
すると、店員さんがどんどんとかき氷を運んできてくれた。危なかった…命拾いしたわ
「まあ、とりあえずいただこうか!」
「おいひぃ!」
「んま…!!」
「美味しいっ!」
「んめぇー!!」
「めちゃふわふわだよ兄さん!」
「そうだな!めちゃふわふわ~~!!」
やっぱ店内に人が多いし、旨いから人気なんだろうなこの店…。まあ嬉しそうでよかったけど
「らだぁ?」
「え、なに…?」
「おいしい?」
「うん、おいしいよ」
「…へー」
…えっ、なに??俺なんか変?すっごい見てくるんだけど…
「らだぁ、もっと感情を表しなよ」
「そーだそーだ!」
「くりーむそーだっ!!」
「えぇ…?」
「学生時代のころも愛想笑いって感じだったもんね」
…それは、親に縛られてて楽しいことが少なかったからな
「そう?」
「そう!!ってか、俺みたいなやつになってほしくなかったってなに!?」
「意味深ですよね」
「教えてや!!」
教えたくないし、思い出したくもないんだけどな…学生時代の思い出なんてあんまなかったし。
「…らだぁ、また何か悩んでる?」
「またってなんや刑事!!!」
「教えろ猿!」
…そういや、中学生時代に夢で言い合いになったことがある。
夢なんてない、親が許すわけないって思ってたからつい当たってしまった。
「…なんでも話してよ、幼馴染みじゃん!俺はらだぁのこと心配して…」
「俺の家系が支配者の家系だった」
「俺が学生時代のころ、親に何度も何度も何度も何度も叩き込まれた」
「親が大嫌いだった」
「友達と遊んでも文句を言う」
「100点は当たり前」
「辛かった」
「…そんな俺みたいなやつを助けるため、って言ったらお前らは信じる?」
後半へ続くよ!