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カラスに突かれ、化け猫に追い回された夜、徳兵衛は死の淵で悟った。
徳兵衛:「……俺は、金さえあればいいと思っていた。だが、金があっても、心に鬼を飼い、貧乏神を背負っていては、石ころを抱いて死ぬのと同じだ」
徳兵衛は石藤の元を命がけで逃げ出し、人知れず山奥の寺に駆け込む。
そこでボロボロの体で泥まみれになりながら、寺の掃除や村の力仕事を無償で手伝い始めた。
かつての「金持ちの傲慢」を捨て、ひたすら人に感謝し、汗を流す日々。すると不思議なことに、ネズミのようだった醜い顔が、日ごとに「慈愛に満ちた、輝くような美男子」へと若返っていった。
やがて、徳兵衛が真心込めて耕した畑からは、黄金色に輝く見事な米が収穫され、彼は再び「徳のある長者」として町に戻ることになる。
今度の彼は、私利私欲のためではなく、貧しい人に炊き出しをするためにその財産を使うのだった。
一方、石藤は一人、あの腐りかけた長屋に閉じこもっていた。
老婆のような醜い姿になってもなお、彼女の心にある「欲」の炎は消えるどころか、ますます激しく燃え上がる。
石藤: 「……あたいを捨てて、一人だけ綺麗になりやがって、徳兵衛の野郎! それに、あの泥亀(与太郎)も……! あたいがこんなに苦労してるのに、あいつらだけ幸せになるなんて許さないよ!」
石藤の背後にいる貧乏神は、彼女の「怨念」を吸って、もはや神というより「魔物」のような巨大な影へと膨れ上がっていた。
石藤: 「……そうだ。あいつらが『徳』や『福』で人を救うなら、あたいは『呪い』で全てをぶち壊してやるんだ……!」
石藤は、町に流行り病を振りまく「疫病神」と手を組み、与太郎や徳兵衛が救った人たちを再び絶望に叩き落とそうと画策し始める。