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■世界観
この世界には、「四次元スポット」と呼ばれる場所が無数に存在する。
数は十億。
島の形をしたものもあれば、
街だけの場所、
建物ひとつ分しかない場所、
ほとんど大陸のような広さを持つ場所もある。
それぞれのスポットは、
地図上の距離や国境ではなく、
番号で管理されている。
人は四次元装置を使い、
行きたいスポットの番号を入力して移動する。
移動は特別なことではない。
買い物に行く。
学校に通う。
少し遊びに出る。
それと同じ感覚で、
人は日常的にスポットを行き来している。
料金はどこへ行っても同じ。
遠くも、近くもない。
便利で、平等で、簡単な仕組みだ。
けれど、
行けることと、住めることは違う。
人が暮らすスポットには、
生活があり、記憶があり、
簡単には動かせない事情がある。
ときどき、
スポットは静かに除外される。
理由がはっきり示されることは少ない。
ある日、
そこから先へ移動できなくなる。
それでも、
世界は回り続ける。
人は新しい番号を覚え、
新しい場所へ行き、
また日常を続ける。
番号で管理される世界の中で、
それでも人は、
自分の帰る場所を
感覚で選び続けている。
この物語は、
その選択の途中にいる一人の話だ。