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既に岳大さんの心の中に優羽ちゃん棲みついてるわ💓💓💓花嫁さんの為に色々アイデアを形にして行く優羽ちゃん素晴らしい☝️☝️☝️皆んなで作る手作りの結婚式新郎新婦さん一生の想い出になるね👰🏻♀️🤵♂️
山荘の皆様ほんっまに素敵な方々😭🍀🍀🍀誰かの為に一生懸命になれる優羽チャンも素晴らしい👏 山荘のアイドル✨流星くんも初めてみる結婚式に大はしゃぎしそう(笑)😆
ステキ〜✨✨✨ 花嫁さんのひとみさんすごく喜んでくれるね〜🥹 山荘のみなさんそれぞれの真心がこもった結婚式楽しみです(ღˇᴗˇ)。o♡ 恋をし始めたであろう岳大さんも帰ってきますし💓ねっ!井上くん🤭
「佐伯さん、コーヒーが入りましたよ」
少し離れたテントの傍から井上が叫んだ。
「ああ、ありがとう。今行くよ」
岳大は携帯をポケットにしまうとテントへ戻った。
そして焚火の傍に腰かける。
「佐伯さんが携帯でやり取りなんて珍しいですね。何か重要な案件ですか?」
井上がそう聞くと岳大は、
「うん、ちょっとね……」
と言った。そして続けた。
「井上君は彼女いたよね? 連絡って頻繁にとってるの?」
井上はかなり驚いた様子で一瞬言葉に詰まったが、すぐに答えた。
「ええ、まあ。うちのは頻繁に連絡しないと怒るタイプなんで」
「そっか……」
岳大はそう呟くと、井上が淹れてくれたコーヒーを美味しそうに飲んだ。
井上はびっくりした顔のまま岳大を見つめている。
岳大がまさかそんな質問をしてくるとは思ってもいなかったからだ。
一体どうしたというのだろう?
井上はいつもとは違う岳大の様子にただただ驚いてた。
そこで岳大が穏やかに言った。
「そう言えば明日の夜、山荘で宿泊客の結婚式をやるらしいよ。僕達も出席出来るな」
それを聞いた井上は、先ほど岳大が電話をしていた相手は山荘の誰かなのだろと確信する。
しかしその事にはあえて触れずに言った。
「へぇ…じゃあ佐伯さんは急遽式場のカメラマンですね」
「そうだね。一生の思い出になるような一枚を撮らないとな。責任重大だ」
岳大はそう言うと穏やかな微笑みを浮かべた。
その頃、優羽は紗子に呼ばれて二人で話し込んでいた。
紗子は花嫁にドレスの代わりになるような服を貸してあげたいと思っていたが、年代があまりにも違う為適当な服が見つからな
くて困っていた。自分が着る服はおばさんっぽいものばかりだと嘆いている。そこで優羽は自分のワンピースを使って下さいと
申し出る。優羽はちょうど白いワンピースを一枚持っていたのだ。
「優羽ちゃんは前職はアパレル関係だったのよねぇ。だったら花嫁さんのコーディネートを全部お任せしても良いかしら?」
紗子に頼まれた優羽はもちろん快く引き受ける事にした。
紗子の話では、結婚式当日は掃除のパート三人も式に招待すると言った。
そして花嫁のブーケは舞子が自宅の庭で育てている花を摘んでブーケを作ってくれる事になった。
優羽は、ドレス代わりのワンピースはあるけれどヴェールがないと紗子に言うと、紗子は何かを思いついたようだ。
「いいのがあるわ。レースのテーブルクロスなんだけどね、それは繊細なレースでまだ一度も使っていないのよ。あれを使いま
しょう」
「それは名案ですね」
優羽は思わず微笑む。
その後優羽は自室に戻ると、一度も着ていない白のワンピースをクローゼットから取り出してみる。
この服は優羽が当時勤めていたアパレル会社の製品で、オフホワイトのマキシ丈のワンピースだった。
優羽が東京に出て来て初めてのボーナスで買った記念の服だ。
胸元にレースが施された繊細なデザインのロマンティックなワンピースなので、
なかなか着る機会がなく今まで持っていたが、まさかこんな事で役に立つとは思ってもいなかった。
おめでたい事で使ってもらえるなら、こんな嬉しい事はなかった。
花嫁になるひとみは優羽と体型がほぼ一緒だったので、サイズも問題ないだろう。
ヴェールを髪に留める際はどうしよう? 優羽は少し考える。
その時、流星の運動会のゼッケンを作る時に使ったガーゼが残っている事に気づく。
優羽はすぐに裁縫箱からその布を出した。
そしてハサミで細長く裁断し、それを二枚重ねて袋状に縫ってからくるくると丸める。
するとガーゼがふわふわと丸まっていき、バラの花が完成した。
そしてそれと同じものを合計五つ作る。
優羽は花嫁のヴェールを止める際にこのバラを配置してピンで押さえる事にした。
ヴェールの準備が終わるとすっかり深夜になっていたが、優羽は疲れを知らずに今度はパソコンを開く。
それから数時間、優羽は花嫁メイクの研究に勤しんだ。
好きな事をしていると時間があっという間に過ぎていく。
気付くと窓には東の空が徐々に白み始めるのが映し出されていた。
辺りが明るくなり始めた頃、優羽は漸く浅い眠りについた。