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47 - 第9話:日本、大和国に統合(5年後)

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2025年10月03日

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第9話:日本、大和国に統合(5年後)


統合された日常


5年後の東京。


街の看板には「YamatoCoin使用可」の文字が並び、コンビニのレジには「旧日本円:一部取扱い」と小さく書かれている。


ニュースの時刻表示はすべて「大和〇年」となり、西暦はすでに姿を消していた。


まひろは、黄色のパーカーにデニムのハーフパンツ。背丈は伸び、肩までかかる髪を後ろで結んでいる。


顔立ちは少し細くなったが、大きな瞳の奥にはまだ子どもの好奇心が残っていた。


「ねぇミウおねえちゃん……ぼくたち、もう“日本”じゃなくて“大和国”なんだって。


すごいよね……国って、名前が変わるだけで全部違って見えるんだ」


ミウは、薄緑のジャケットにクリーム色のブラウス、モカのスカート。髪は肩を過ぎてゆるく揺れ、首元には真珠のネックレスが光っている。


以前よりも大人びたその雰囲気に、まひろはどこか憧れを抱くような眼差しを向けていた。


彼女はふんわりと笑い、まひろの言葉に同意する。


「え〜♡ そうだねぇ。前は“日本”って呼ばれてたけど、今は“大和国”。


名前が変わっても、みんなの暮らしはちゃんと続いてるんだもん」



国軍とネット軍


街角のスクリーンには、大和国軍の行進映像が流れていた。



「国軍(実働部隊)」と「ネット軍(情報部隊)」。


緑の制服を着た若者たちが、誇らしげにインタビューに答えている。



「ネット軍に入れば世界を守れる」


「クリック一つで敵国を止められる」



だが実際には国外へのサイバー攻撃や情報操作が常態化していた。


報道では「未来を築く新しい軍」として描かれ、市民は拍手を送る。



売られた島々


ニュースでは、かつて日本が争っていた島々が「大和国によって平和的に購入」と報じられていた。


実際にはヤマトコインを使った架空取引であり、旧日本政府が財政難を理由に切り売りしたものだった。



街頭スクリーンを見上げながら、まひろは無邪気に言った。


「ぼく……ただ“どうしてケンカしてるのかな”って思ってただけなのに、島まで大和国になっちゃった」


ミウは彼の髪を撫で、ふんわり微笑んだ。


「え〜♡ でもケンカが終わったなら、いいことだよねぇ。


大和国になれば、もう誰も争わなくて済むんだもん」


人々の声


街頭インタビュー。


「最初は不安だったけど、給料がヤマトコインでもらえるようになって生活が楽になった」


「政府が何を決めても“はごろも党”が関わってるなら安心できる」



人々は新しいルールに慣れ、むしろ歓迎すらしていた。


それがZと、はごろも党の思惑通りであることに、ほとんど誰も気づいていなかった。


結末


暗い部屋。緑のフーディ姿の**Z(ゼイド)**は、旧日本憲法のページをモニターに映し、無造作に削除キーを押した。


代わりに浮かび上がる「大和国基本法」の文字。


「真実はもういらない。法律も歴史も、すべて俺たちが書き換えた」


無垢な問いとふんわり同意、その裏で日本は完全に“大和国”へと組み込まれ、未来は新しいルールで塗り替えられていった。

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