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2986年 4月 26日
彼女は、時代の流れで16歳が成人年齢となった平凡な██という地の、平凡な家庭に生まれた
エージェントA「…うわぁ、これは…」
エージェントB「青髪のお方と金髪のお方を救出するんですよね、」
頭を防護ヘルメットで覆う男二人が膨大なエネルギーの中心点に向かって走る
エージェントB「ゲホッゲホ…!頭が…!」
エネルギーで潰れそうになる
βの破壊計画、進行度_99.3%
エージェントA「!あそこだ!青髪と金髪…間違いない!!」
エージェントA「お前は青髪を運べ!!俺はこの金髪を…!!」
中央ビル以外のビルが、端の方から ホログラムとなって徐々に消える
エージェントB「あっちだ!あっちにヘリに飛べるポイントが_」
A「…いとも簡単にそんな_許す訳、ないじゃないですか」
2人「…はぁ?」
B「…サザナミ、やれ」
サザナミ「あぁ、」
サザナミ「…B、青髪を狙えばいいか?」
ヒカリ「そうだ、やはりりさは…とんでもない力を持ってる」
エージェントA「お前らは…少女の人生すら都市の破壊のために壊すのかよ…」
サザナミ「なぁ、合理的に考えてみてくれ、エージェント」
サザナミ「政府の勝手でここに放置された都市、行方不明者が出るこの都市、こんなところ放っておいたら何れみんなおかしくなって、エイビオ中の人間がβ地区に囚われると思わないか?」
??「…天、天、」
聞き馴染みのある声が聞こえる
聞き馴染みのある声は、失った名を呼ぶ
天「…あれ…」
??「…戦争、終わったよ、僕ら以外皆記憶を失ったけど_」
天「_記憶を…」
天「…悠…」
??「ユウ…そうだなぁ、今は…アオイって呼んでよ、私…新しい生活、送りたくてさ」
アオイ「…でもそっか、なら私も天のこと…別の名前で呼ばなきゃね」
天「…うん…蒼…久しぶり…だね」
蒼「…久しぶり、紗月」
青空の下、仰向けで目覚めた紗月は、辺りを見回したのち、傍で寄り添う蒼の方を向く
紗月「…何が、あったの?」
ヒカリ「簡単に逃すわけにいかない、その青髪を渡せ。」
エージェントB「自らエージェントを志願した者として、自分の命を優先するのはプライドが許さない…」
エージェントB「A、増援を」
エージェントA「了か…」
「必要ないわ。」
「…!?」
青髪の少女は目覚め、抱えられながら拳銃を構えた
その場の誰もが、驚愕した
りさ「助けてくれて、ありがとう」
りさ「ここは端の方だから、比較的動けるみたい、だから私は一人で行く。」
エージェントA「ですが…!貴方は大丈夫なんですか!?貴方の症状も大分…!」
りさ「私の事なら気にしなくていいわ、エネルギーの中央じゃ苦しいけど_ここは大分端の方だし」
りさ「私は、金髪の子が助からない方がいたたまれないのよ、だから_」
りさ「貴方達は、金髪の子に気を配ってあげて、」
2人はりさの圧に負け
2人「は、はい!!承知致しました!!」
かなを連れて都市を離れる
ヒカリ「…逃がして大丈夫なのか?」
りさ「問題ないわ、だって…貴方が見込んだんでしょ?」
ヒカリ「あぁ、君なら、この都市に捧げても問題ないと_」
サザナミ「現と同程度のエネルギーがあるらしいんだ、だから_」
「都市のために、タヒんでくれないか?」
りさ「貴方達の理念を否定したりはしない、貴方達にも苦しみはあったと想像がつくから」
りさ「でも_理念を達成するのに犠牲が必要なら…」
りさはゆっくり、ゆっくりとCの背後に回る
そして
Cの首根っこを掴んだ
「無関係な人間じゃなくて、貴方達だと思うんだけれど」
Cの背中を膝で蹴り、Cはサザナミの方へ飛ばされる、
そして、まるでドミノかのように2人は重なって地面に倒れ込む
C「ひっ…!!?サザナミっ、すま…」
りさ「じゃあね、愚かな人」
りさは冷たい目でCを見る
ヒカリ「お前…どうなって…!!」
りさ「…どうして人の勝手に付き合う必要があるのかな、これは仕事じゃないんだよ? 」
りさ「来世はいい所に生まれられるといいね」
「…………!!」
りさはそう言いながらAの後ろに回り込むと、拳銃でAの頭を殴り、Aを気絶させる
りさは研究員に背を向け、こう告げる
りさ「君達が完成させた爆弾の最期なら、君達も喜んで見届けられるよね?」
りさはβ地区を離れると、1つの声が頭の中で木霊する
“あ█りが██とう”
りさ「…現ちゃん…」
“貴方達を█逃がせて█良かった。”
刹那、β地区は赤色の光と外にすら漏れ出すエネルギーに研究員は飲み込まれ、その悲鳴を聞くこともなく消滅する
β地区に囚われた人間はみな、消えた
真っ赤な光と、膨大なエネルギーに、一般市民は耐えられなかったのだ
遺されたのは、βに覆われ、復旧もされなかったために跡形もない、真のゴーストタウンのみ
りさ「…あぁ…」
りさ「…命は、どうして…乱雑に、扱われるの」
りさは跡形もなくなった廃都市の方を向き、そう呟いた。
第一章_ ニセモノの都市” β” 完結