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「てっ、手で、ですか?」
「ああ」こともなげに彼が答える。
これって、きっとまた無意識なんだよね? まったくもう、天然な人たらしさんてば、最強すぎ──。
だけど本音を言えば、計算なんかじゃない無意識だからこそ、より彼のことが好きになっちゃうんだけれど……。
彼に聞こえないよう「ふふっ」と小さく笑って、ボディーソープを両手で擦り合わせ泡立てると、程よく筋肉の張った背中を両方の手の平でくるくると撫でるように洗った。
「……ん、気持ちいいな」
色っぽい声……洗っているだけなのに、こっちまで感じてきちゃいそうで。
(もっと、その声を聞いていたくて……)──脇からちょっとだけ両手を回し、探り当てた胸の突っ先を石鹸の付いた指でつんと弾いた。
「……っん」
彼が喘ぐような声を上げて、
「……こら、そんないたずらをするなんて、悪い子だ」
肩越しに軽く咎めるような視線を寄越した。
「だって、感じてほしいんだもの。もっと、あなたに」
決して本気で怒っているわけではなく、瞳の奥では笑っているように窺える彼の優しい眼差しに、もう少しだけちょっかいが出したくなる。
胸元の固く尖った先を、二本の指できゅっと摘まむと、
「……うんっ、もう、ダメだ……」
艶っぽい声を彼が切れぎれに漏らした……。