テラーノベル
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かな『ちょうどいい〜!わたしも分かったことがあるから共有しようと思ってたんだよね〜』りさ「ならちょうどいいわ、さっきは私からだったしかなからどうぞ」
かな『OK、まず、西側の壁には何も無かったんだけど、30番目の棚に紙があった』
”当てはめよ、皆が知る、あるものに”
”そこにシカケがある”
りさ「皆が知る_そうね、アレで間違いない」
りさ「それは英語のことよ、本棚1つの本の数を数えたらちょうど26だった」
かな『それしかないなぁ〜、なら_』
通話越しに紙の音が聞こえる
かな『F、L、Z、Q』
りさ「OK、解いてくる」
りさは駆け出した
りさ「…」
りさ「1」
りさ「2」
りさ「3」
りさ「4」
全ての仕掛けを解けば、大きな轟音が鳴り響き始める
かな『ひぃっ!!今45地点にいるから探してくるね!現ちゃんがいる所!』
りさ「OK!私も探す!あと13の様子も見たいし!」
かな『気にかけてはいたんだ!?OK!』
通信を切り、しばらく轟音で動かずにいたが、1分もすれば轟音は止み、先程と同じように静かになる
りさ「かな!居た居た…」
かな「こっちに隠し通路があったよ!謎解きして良かった…」
りさ「よし、急ごう。」
地下に続く隠し通路は暗く、無機質で至る所が錆びれた金属製の階段がしばらく続いていた
最初こそ多少の光が届いていたが10段ほども降りれば次第にそれも薄くなり、最後の方は足元がぼんやり見える以外真っ暗である。
かな「うおっ…とと、」
完全に階段を降りた時にかなが少し躓きながらも、何とか最下層に到着する
りさ「…鉄扉…ね」
かな「これ、開けられるのかな…私に…」
りさ「2人で押せば多分大丈夫でしょ、押そう」
かな「OK…」
2人は同時に鉄扉を押す
鍵はかかっていないので重くはあるが、二人分の力でなんとか開けることが出来る。
かな「…ここは…また別の図書室…?」
かな「さっきと比べたら明らかに小さいし、なんか…古臭い」
かな「…ここ…らへんに、現って子がいるのかな」
かな「でもこんなところに、なんで…?」
?「……………」
?「だれか、いるの?」
すごく、小さな声だった
だが確かに2人とは違う声、もっと幼くて、もっと無機質な…
かな「女の子だ」
りさは大声で少女に、自分達に敵意がないことを強調する
りさ「私達は悪い人じゃない、君を探しに来たの」
りさ「どこにいるの?教えてくれない?」
少女はそれに出来るだけ大きな声で応える
?「こっち_!、いちばん_、奥_!」
今出せる1番大きな声で、少女は応える
かな「行こう!りさ!」
二人は図書室の奥へ走る
一脚、冷たく錆びれた金属製の椅子
図書室の中央通路、姿も見えないほど薄暗い、けれど、なんだかあたたかくて。
紺の髪が小さく揺れた、青い眼が一瞬光った
りさ「…君が現ちゃん?」
りさは問う
現はか弱く頷く
声を出すのもままならぬ様子だ
かなは脚に括り付けられている三原色のコードに違和感を覚えつつ、どこかで習得したピッキングで現を解放した
かな「現ちゃん、ここには何があるの?」
現「…わかんない、凄く難しい、本」
かなは本を適当に取っても、読めない字ばかりで解読できない
たまに写真が貼られている、だが汚れていたり、破れていて、断片的にしか見ることが出来ない
りさがそれを取り出し、開く
開き、内容を見てみれば、そこには
漢字があったのだ。
りさの顔が途端に青ざめる
りさ「………」
りさ「…何で…」
りさ「…いや…」
かな「…り、りさ!!どうし_の!?急に本を落と__!!」
りさは強いフラッシュバックを起こす
?「…ねぇ、██」
「今の地球を、ど█思う?█████」
しばらくりさは放心状態となる
かな「…りさ?」
現「…?おねえちゃん…?」
りさは放心状態から回復するとゆっくりと立ち上がり
りさ「…ごめん、ちょっと気分悪くなってきちゃって」
りさは明らかに動揺した様子で、手を震わせながらかなに話しかける
かな「…え?」
りさはかなの様子を見ることもなく、すぐ現とかなの元から離れ、入口へ向かった
現「…あの子、本を見た瞬間、すごく辛そうな顔、してた」
かな「…?」
かなは動揺ししばらく足が竦んで動けなくなっていた
現は慣れない様子で立ち上がり、かなの手を取る
現「追いかけないと、どこか行っちゃう」
弱々しく、現はかなの袖を引っ張る
かなは現の様子を見てはっとする
かな「ありがとう、現ちゃん」
かな「りさに聞きたいこと出来ちゃったから…私、止まってられないよね」
なな「行こっか、りさを探して、ここから一緒に出よう!」
現「…!うん!」
現は満面の笑みになり、かなと共に広い広い、静かで無機質な図書館から出る
現とかなが図書館から出た瞬間、13と共に図書館は消滅した。
かな「…図書館が、なくなった…?」
現「…私たち、出た瞬間、だったよね」
かな「……そう、だね…」
この街はおかしい、他の街とは明らかに違う
封鎖されていた時にこんなことになったのだろうか、そう考えても分からない
かな「…」
かな達が虚空に向かえば、まるで導くかのように街が形成される
かなは走る
りさは何処だ
りさは
りさは_
りさに何かあれば_
かなはがむしゃらに走った
かなは考え、疲れ知らずの現と共に走る
ゾンビとゾンビの間を避けながらあちこちを走る
どこに行っても、どこに行ってもりさはいない
りさ「…2人とも、大丈夫かな」
りさは裏路地に座り込む
りさ「申し訳ないこと、しちゃったなぁ」
りさ「でも_」
りさ「…2人の近くにいたら、私は…2人を_」
りさ?「…」
かな「…嫌だ__」
現「おねぇちゃ、おちついっ_」
現は必死にかなを止めようとする
だがかなはまるでなにかに取り憑かれたかのように探すことに頓着しており、少女1人が声をかけるだけでは止めることは出来ない
それはまるで、死を望む母を止める子供のよう
「ついていかなきゃ…」
「おねぇちゃんが…あぶな…」
現はかなを追っているうちに、見つける
見覚えのある影を
現はかなをぐいっと引っ張り
現「…おねぇちゃん、正面の子、おねぇちゃんが探してる…」
かなを正気に戻す
「青髪の____」
かな「…りさ…?」
おそらくβ地区の中枢とも言える、まるで東京ドームをそのまま縦に伸ばし、ビルにしたかのような、β地区で1番大きな建物
りさは、そんな建物の目の前に立っていた。
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