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《ブールダ邸》
「はぁ……疲れたわね」
「そうですね」
うーん……そういや、今回の件って俺のせいだよね?ま、まぁ、でもこれで一件落着って事で許して。
「休暇日も何日か過ぎてるし、荷物は後で送ってもらいましょう、とりあえず報告よ」
そういってアンナ先輩は中のメイドを呼び出した。
「あらアンナ、それと新人の子ね、聞いたわよ、あの魔皮紙が発動されたって、良くもどって来たわね」
「お陰さまでね、マスターはまだ起きてる?」
「マスターなら今は書斎で仕事してらっしゃるわよ」
「そ、ありがと」
ソソソ……っと先輩についていく、なんでかって?
いやほら、俺って病んでたじゃん?恥ずかしいのもあるけどいきなり気楽に話せないというか何と言うか、わかる?
「ふーん、新人」
「……はい」
「あんた、いい顔になったわね」
あ、バレてる?これ……てかそんなに俺顔に出てるのかな?
「……」
「あんたは町の人気者よ?」
人気者って言われてもなぁ……
「だから後でサイン頂戴ね?」
サイン!?
「ほら、アオイ行くわよ、サインなんて後で何枚でも書いてあげなさい」
「は、はい」
「絶対よ~」
この複雑な気分どうしたら良いんだろう。
廊下を歩いていき書斎の前でノックをする。
「お入り」
「失礼します」
「失礼します」
「来たかい、あんた達の事は聞いてるさね、なぁに、トラブルが発生したんだ、怒りゃしないさ、ただ……」
マスターは俺を見る。
「はい、仕上がりました」
「ふむ……その様さね、明日に備えて準備しとくさね」
「はい、では私はこれで」
アンナ先輩が部屋から出ようとしたので俺も慌てて__
「失礼します」
と言って去ろうとしたが。
「アオイは残るさね、ちょっと話がある」
「……はい」
え、なに……
アンナ先輩は一礼して扉を出ていった。
「座るさね」
「はい」
「それで、お前は今の状況をどれくらい把握してるさね?」
「?」
「その様子だと何も知らないようだね、町ではお前の事ですごいことになってるさね」
あー、その事か……
「“美しさの神の作った傑作だ”とか“無名のアイドルだ”とか“もはやこれが私の神だ”とか、みんな狂ったようにあんたを探してるさね、まぁそのおかげで提供もとの《ゴールド》は大繁盛、店にお前の来てたチャイナドレスを買いに来るやつが多いらしいさね」
「はい……」
そんなの俺に言われても……
「これがどれだけの事か……知らない方が確かに幸せさね……さて、お前には明日からあの芋虫野郎のとこに行ってもらうさね」
そういや、そんな話してたな、なんかうっすら覚えてる。
「解りました」
「まさか休暇までもらってまだ疲れてるとか言うんじゃないさね?帰って準備をしとくさね」
正直まだ疲れてるんだけど、マスターには逆らわない方がいいだろう。
「解りました」