短編

おかしい…

私はいつも通り病院のベットの上で暇つぶしに小説を書いて

一区切りついたから最高の気分で寝たはず…

と、思い

鏡を探しにベットから起き上がって

いつもの私からは考えられない程軽い体

興味本位て見てみると

やっぱり、そこに点滴の注射痕は残ってなかった

と、言うことは……

理解した瞬間、嬉しさのあまり乙女チックな動きをしてみたり

そして、視界の端に誰か写る

恐る恐る、そちらを見てみると…

そこには自分……と思わしき姿が

サラサラの白髪

きゅるんとした可愛い赤色の瞳

全体的に色は白く

なんとなく、貴族様みたいな…

と言うより…

アニメでよく見るタイプの吸血鬼？

そして、何よりも……

……身長が低い

150あるか？これ…

というか、私こんな可愛い女の子……

やばい、わかんない

……

気にしないことにしよう、うん

ほら、アニメの吸血鬼まんまならさ

性別がない可能性もあるじゃんね？

ね？

よーし考えるのやめた

……つか

よく見なくても、可愛い子だな

と言うより

……なんだろ、この

ショタコンのスターターパックみたいな…

……辞めておくか

元の子が可哀想だ

さて、この後はどうしようかな

外に出てみてもいいけど…

人に会ったらなんとなく面倒な気がする

あーでもない、こーでもないと悩んでいたら

突如、後ろから

何かが割れる音が聞こえて

ここ、異世界なんじゃ…？と本気で思った

なんとそこには

ガラスを割ってダイナミック帰宅をしたと思われる人物が

な、なにが……？

つか、この人もイケメンだなおい

ここは乙女ワールドか？

そう言うと、そそくさと出ていってしまった

……なんだ、あの人

こわ……

というより、もしかして…

窓の外を見つめる

……これは、ここから出れるのでは？

ごめんね、元の体の人

私の自由の為だ…！！！

そう思い、一気に窓の外から

……落下した

目が覚めたら、ふと違和感を感じたと思ったら

自分の声が聞こえてきてまぁビックリ

元に戻ろうと想えば戻れるけど…

そう思い、この幽霊状態を楽しむことにした

なんて思ってたら

体が動くことを確認したあの子は

まず人が居そうな場所に向かった

そう思い、"神殿"に向かう

あそこは

アシッド教の、神殿だ

ここら辺でいちばん高い建物に来たのはいいけど

なんか……高級そうな……

というか、よくRPGで見る宗教の神殿では？

何を信仰しているのか知らないけど

……めっちゃ、高そう

壊したくない……まじで……

なんてことを思っていると

冷ややかな目をしたイケメンに見つかる

そう思い、私はその場所から離れた

……あの人は、この子のことが嫌いなのかも

そうじゃなかったら

……

あんな怖い目を、するはずが無い

……まるで

｢殺したい｣、とでも言っているようだった

ふと、そう確信した

何故ならば…

さて、あの子がボクの体になんかしないように見張ってないと

そう思って帰ろうとしたら

……掴まれた

え、え？

それだけ言うと、急いでそこから出ていく

……慣れないことは、するもんじゃないと

本当に、痛感した

ツン、とする消毒液の香りに

思わず顔を顰めた

ここは、もう

私の第2の家だから

さて、この子について分かりそうな人は…

振り返ると、そこには

青色と灰色を混ぜたような色の髪に、水色と灰色を混ぜたような瞳の

身長170はあるだろうという

高身長なイケメンがいた

お声が……素敵……

そう言われ、ココアが出てきた

まさかの甘党……！？

それだけ言われると

ポン、と頭を手を置かれる

右手で撫でられているようで

ふと、左手を見て

きらり、と光る指輪に

こりゃ本物の初恋キラーだと、痛感した

意識が消える、その瞬間

初恋キラーお兄さんの後ろに

白いワンピースの、幽霊を見た

そう、あれは幽霊

だから

そんな、言葉も

きっと、幻

誰も、言ってくれなかったもの

誰も、そう

せめて、1人でも

言ってくれれば

私は

"飛び降りて自殺"することも無かったのに

……あぁ、なんだ

そういうことか

この世界は

天国……だったのか