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こうして、外の様子を伺う日々が、幕を開けた。
自警団の人達は少数で外の見回りを、それ以外の人は店の中と、地下の拠点の中のどちらかで過ごしている。
私は、自警団の人達と一緒に外に行きたかったのだが、ミーシャさん達に固辞されてしまった。
ミーシャ
ミーシャ
メグ
サーシャ
ミーシャ
メグ
メグ
メグ
メグ
軽快な口調で、手を振る。
お二人はそれに応えて、自警団の人達と共に、外へと出ていった。
メグ
メグ
皆が必死の思いで外の見回りに出る中、私は安全な所で、地下に籠もって料理番。
おふたりの言い分も分からなくはないが、それでもどうしても、比べてしまう。
メグ
メグ
メグ
野菜を切る包丁の音が、静かな地下室に規則正しく響く。
それにすら、虚しさが掻き立てられて仕方ない。
メグ
メグ
メグ
悔しさが込み上げ、思わず手に力が入ったその時。
鍋で煮込んでいた、食材とハーブの香りが、ふわりと鼻を抜けた。
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
勿体ないと思いながらも、鍋を傾けた時だった。
メグ
私に、天啓とも言うべき閃きが舞い降りたのだった。
そうして、時計の針が両方天を仰ぐ頃。
早めの昼食を終えた僕は、何気なく薄暗い周囲を見回した。
ユリウス
ユリウス
自警団員達
自警団員達
自警団員達
自警団員達
自警団員達
自警団員達
とは言ったものの。
気になるものは、気になるのだ。
邪魔をすべきではない、という団員の言葉を無視して、僕は今、メグのいる倉庫の前に立っていた。
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
意を決して放った、当たり障りのない言葉に、返事は無かった。
代わりに聞こえてきたのは、ガチャガチャとした、ガラス同士のぶつかる音。
――明らかに、描画のそれではない。
ユリウス
その勢いに引き寄せられるように、僕はゆっくりと中へ足を踏み入れた。
メグ
メグ
遠い地鳴りのように、ユリウスさんの声が遠ざかっていく。
それと比例して強くなる、足元の不安定感。 さながら素足のまま、沼に沈んでいくようだ。
戸惑いが強くなった瞬間、私の視界は、息を呑むほどの純白に塗りつぶされた。
メグ
メグ
女神
女神
どうりで見覚えがあると思った。
今いるのは、自称・女神が私を異世界に送り出した場所だ。
メグ
メグ
女神
メグ
女神
メグ
女神
女神
メグ
女神
女神
女神
女神
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
女神
女神
女神
メグ
女神
女神
女神
女神
女神
女神
女神
女神
女神様は悲しげに瞳を伏せ、虚空を指で四角くなぞった。
その中に目を凝らせば、床に蹲る町民達の姿が映し出されている。
手を組み、頭を伏せるその姿はまるで、この女神に祈りを捧げるかのように見えた。
女神
女神
女神
女神
女神
女神
女神
女神
女神
切り取られ、映し出された世界では、まだ人々が苦しみ、叫んでいる。
その切実な声音は、私の胸に容赦なく突き刺さった。
町民
町民
町民
町娘
町娘
町娘
町娘
町民
町民
町民
町民
町娘
町娘
町娘
絶望の声も、耳馴染みのあるものばかりが並んでいく。
どれも元いた世界で、私が味わってきたものだ。
好き勝手に作品を使われ、私の意志を蔑ろにされ続けた、過去の苦しみ。
助けを求めても、取りこぼされた絶望が、私の前にあった。
メグ
女神
女神
女神
女神
女神
女神
メグ
メグ
女神
女神
女神
女神
女神
女神様がゆっくりと私に歩み寄り、指先を、私の両目にそっと添えた。
女神
女神
女神
女神
メグ
メグ
メグ
まぶたの裏側が、焼けるように熱くなる。
その間も、白一色の世界は激しく明滅し、女神様の声が遠ざかっていく。
女神
女神
女神
メグ
跳ね起きるように目を開けると、そこは先程まで作業に没頭していた、あの倉庫の中だった。
メグ
メグ
メグ
床には、私が落としたらしい、乳鉢の破片が散らばっている。
そして目の前には、私を覗き込む、眉を下げたユリウスさんの顔があった。
ユリウス
メグ
メグ
メグ
ユリウス
ユリウス
ユリウス
ユリウス
心配そうに差し出された、彼の手。
そこにはありえない『色』があった。
メグ
淡い水色の光が溢れ出しては、緩やかな波紋を描いている。
他でもない、ユリウスさんの手から!
メグ
メグ
視覚を通して、光が訴えてくるのだ。
私を失うことへの深い恐怖を。
そして、それ以上に切実な、私の力になりたいという思いを。
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
あまりに純粋なその色に、胸の奥が熱くなる。
女神が言っていた通り、これが現状打破になる一因であるなら、間違いなく強力だ。
メグ
ユリウス
けれど、感動に浸る暇はなかった。
私の視界に、真っ黒な人型のモヤが現れたのだ。
フレデリカ
メグ
メグ
彼女が纏うのは、どろりとした、底の見えない濁流。
そこには思いやりなど存在しない。 自分以外の全てを覆い、奪い尽くそうとする欲が、渦を巻いて蠢いていた。
ユリウス
ユリウス
そんな恐ろしい姿が見えていないユリウスさんは、いつも通り、彼女に声をかける。
フレデリカ
フレデリカ
フレデリカ
以前の私なら、気弱な彼女の振る舞いに騙されていただろう。
けれど、今の私には視えている。 彼女が吐き出す言葉も、真っ黒な色を纏って、霧散している様が。
メグ
メグ
メグ
メグ
メグ
ユリウス
ユリウス
ユリウスさんが私の額に、そっと手の甲を当てる。
その触れ方は、どこまでも慎重で、優しい。
慈しみが滲み出る水色の光が、先ほどよりも眩しく、彼の輪郭を柔らかく縁取っていた。
空詩
#ハッピーエンド