真琴
楽しかったね!
蓮
うん、遊園地もいいでしょ?
真琴
そうだね!
蓮
楽しんでくれたなら良かった!
真琴
あはは…
真琴
……
あのね。
私は今日、本当に嬉しかったんだ。 普段誰も遊びに誘わない蓮が、突然私を遊びに誘ったから。
期待してしまったんだ。
蓮
お、もうそろそろ頂上だぞ〜。
蓮
写真撮れば?
真琴
う、うん。
二人で遊ぶなんて珍しかった。 でも。
貴方にとっては、「一日の出来事」としか認識出来ないと思う。 たった一日の。
それでも……中学三年生から五年間、ずっと片想いだった私にとっては、 この出来事は…
一生の思い出となると、思う。
真琴
楽しかったね!
蓮
うん、遊園地もいいでしょ?
真琴
そうだね!
蓮
楽しんでくれたなら良かった。
真琴
あはは…
真琴が、俺のことを好きなのは薄々察していた。 中学三年生で、真琴をいじめっ子から助けた時からだろう。
俺は最初、なんとも思っていなかった。 「いじめから助けたクラスメート」程度の認識。 だけど。
いつも俺を気にかけてくれる真琴を、いつしか好きになっていた。 その…真琴は、結構可愛いし。
蓮
お、もうそろそろ頂上だぞ〜。
真琴が前、「写真撮るのが趣味なんだ〜」と言っていたのを思い出す。
蓮
写真撮れば?
真琴
う、うん!
真琴を誘った時、周りの友人からはこう言われた。 「お前、珍しくね?」と。
当たり前だ。滅多に遊びに誘わない俺だから。
真琴はきっと、夢のような一日だったと思うだろう。 俺にとっては、好きな子を誘えた一生の思い出だけどな。