次の日起きたら、昨日あったことは 夢になっているんじゃないかと 思ったけど
そんなことは無かった。
ハル
ハルさんの家の寝室で目を覚ます。
むくりと起き上がり、リビングへと 通じる扉に手をかけた。
もしハルさんがもう起きていて、寝起きの顔を見られたら恥ずかしいなと 思ったけれど、
それは杞憂に終わった。
ハル
リビングはひっそりと静まり返って おり、時計のカチ、カチ、という音 だけが響いていた。
ふと時計に目をやると、時刻は 午後3時をまわっていた。
ハル
早くも時差ボケが発生して しまったのか、
自身の疲れによる睡眠なのか、
はたまた、ただの寝すぎなのか…
ちょうど顔を洗い終わり、髪を手で ほぐすのに奮闘していた頃 お腹の虫がなったので
何か食べようと思いキッチンに 向かった。
しかし、勝手に人の冷蔵庫を漁り 食事するのはいかがなものかと 足を止めた時
テーブルの上に紙切れがあることに 気がついた。
ハル
拾い上げると、鉛筆か何かで走り書き された文字があった。
ハル
ハル
文字も、まるで鏡に反転させたように 左右が逆になっていた。
紙切れを裏返しにし、照明に照らして 文字を透けさせ
なんとか文章を読み取った。
仕事に行ってきます 起きたら、冷蔵庫の中にご飯あるから 温めて食べてね
ハル
ハル
ハル
メモに向かって頭を下げ、冷蔵庫に 向かう。
お米と、おかずの乗った皿を レンジで温め
お客さん用の箸を手に取り、軽やかな足取りでテーブルに運んだ。
ハル
着席してから、また手を合わせ 頭を下げる。
ハルさんのご飯は美味しかった。
一度は冷蔵庫の中に入っていたので、 お米は少し硬くなって しまっていたけど
ハルさんの出来立てのご飯を食べたら本当に美味しいんだろうなと思った。
ハルさん
ハルさん
ハル
ハルさんはスーツ姿で、スーパーの袋を両手にもち登場した。
ハル
ハル
ハルさん
ハル
ハル
ハルさん
ハルさんは、洗い物が終えてある キッチンの様子を見て 感謝を言ったあと
両手の袋を床に下ろした。
ハルさん
ハル
ハルさん
ハルさん
ハルさん
ハルさん
ハルさん
ハル
ハル
ハルさん
ハルさん
ハルさんは手をポンと叩くと、 リビングの奥の方へ行き
洋服だんすの中から、服を引っ張り だした。
ハルさん
ハルさん
ハルさん
ハル
どんな服を着ていたのだろう
お洒落とかしていたのかな
そんなことを考えていると、ハルさんが「あっ」と声を上げた。
ハルさん
ハルさん
ハルさん
ハル
無地の、半袖黒Tシャツに
灰色の半ズボン…
彼が昨日着ていた、無地の白Tに 長袖ジーンズズボンの格好が 思い出された。
ハル
ハル
ハル
ハルさん
ハルさん
ハルさんはぷっと小さく 吹き出したあと、 手を叩き大声で笑い出した。
思わず本音がもれて、失礼極まりないことを言ってしまったが
…何がそんなに面白かったのかは 分からない。
ハルさんはちょっと不思議な人だ。
ハルさんから服を受け取り、 寝室で着替えた。
服は思いの外、ちょうどいい サイズだった。
コメント
3件
続きを楽しみにしています!
今回もお読み下さった皆さま、本当にありがとうございます😌