願えば、風が動いた
願えば、雨が降った
村の女の子
これで…
村の女の子
これで、私も…
村の女の子
あの人に、相応しくなれる!
〜ある日の沙羅家にて〜
彩華
……
村の女の子
だから!初代様!!
村の女の子
私を沙羅家の巫女にしてください!
彩華
…
彩華
(……困った)
彩華
……ちなみに、それの意味が分かる?
村の女の子
はい!もちろんです!
村の女の子
見ていてください!
そういい、少し黙る女の子
次の瞬間
ふわり、と風が動いた
桃香
……あ
未門
…?
村の女の子
見てください!私
村の女の子
風を動かせます!
村の女の子
私、自然の神の使いになれますよね?
彩華
……そう、ね
村の女の子
…なら!
村の女の子
私に未門様を下さい!
村の女の子
一目惚れなんです!
彩華
……その為に、わざわざ?
村の女の子
はい!だって……
未門
……初代様
未門
俺は……
村の女の子
あっ!
村の女の子
初めまして!未門様!!
村の女の子
相も変わらず素敵な方!
未門
えっいやあの……
村の女の子
私!貴方の事が好きなの
彩華
……離れなさい
村の女の子
……えっ
彩華
いいから、離れなさい
……なるほど
朝から修行をしようとしたら居たこの子
自然の神の使いの片鱗があると言い出し、あれだ
……
「弱すぎる」
それに、未門はうちの子の許嫁だ
桃香の、気持ちを考えて欲しい
あの子が、今どれだけの感情を押し殺しているのか
彩華
(想像したくない)
彩華
貴方、お母様の名前は?
村の女の子
え、どうして…?
彩華
……
こういう子は、少しトラウマを植え付けるくらいでいいのかな
いずれ、その恐怖が我が子を守ってくれればいい
……私達は、悪役だ
彩華
自然の神の使いの名を騙り
彩華
しかも、沙羅家の許嫁に手を出して
彩華
ただで済むと思わないで
村の女の子
……えっ、なんで、どうして
村の女の子
私、風を動かせるし…
彩華
そう……
彩華
……で?
村の女の子
えっ…?
彩華
それで?なに?
彩華
本物を知らないで
彩華
あんな弱い風で、何ができるの
村の女の子
……あっ、いや、その
村の女の子
ご、ごめんな…
彩華
謝って許されると思ってるの?
彩華
あなたがしたことは
彩華
子供と言えど
彩華
沙羅家への、侮辱でしかない
彩華
それを、理解しているの?
村の女の子
あっ、いや、ご、ごめんなさい……っ!
そう言って、泣いて帰る女の子
……はぁ、後で文句言いに行こう
今するべきことは…
彩華
……桃香、大丈夫だよ
桃香
母、様…
桃香
あの子……風を……
彩華
どうせもう使えないよ
彩華
あんなのは、一時的な思い込みでしかないよ
彩華
貴女だけが、自然の神の使いだよ
未門
ね、大丈夫だよ桃香
桃香
……未門
2人の雰囲気を感じ取り
そのまま、愚痴を言いに別の大陸へ向かった
〜オマケ1・彩華、愚痴を言う〜
彩華
ちょっと、少女ちゃん
彩華
うちの子を虐めないで
彩華
あんな一時的な世界からの愛で
彩華
こっちを振り回さないで
「少女」
……ふふ
「少女」
いつも、あの子になると真剣だね
彩華
当たり前でしょ
彩華
可愛い子供なんだから
「少女」
……まぁ、あんなことをもう起きないから大丈夫だよ
「少女」
ただの、気まぐれだから
彩華
気まぐれで振り回さないでって…
銀木犀
言っても無駄でしょ?彩華
彩華
……居たの、銀木犀
彩華
ごめんね、愚痴ばっか言って
銀木犀
いや?別にいいよ
銀木犀
我が子を可愛いと思う気持ちは分からなくもないからね
彩華
貴女の場合眷属でしょ
銀木犀
そ、せーかい
「少女」
……2人とも、健気でいいね
彩華
……だってよ、銀木犀
銀木犀
そう?
銀木犀
私たちからすれば
銀木犀
この世界の全てを愛している
銀木犀
貴女の方がよっぽど健気だよ
銀木犀
ね?「__」ちゃん
「少女」
……
彩華
私達は、知ってるからね
彩華
「__」ちゃん
〜オマケ2・桃香、貴方に感謝を〜
未門
大丈夫だよ、桃香
未門
俺は桃香一筋だし
未門
…知ってるでしょ?
桃香
知ってる、けど…
桃香
……あの子
未門
うん、どうしたの?
桃香
……私の事、子供だと思ってる?
未門
好きな子心配して何が悪いの
桃香
……ずるい
桃香
……あの子
桃香
正直に
桃香
未門に、好きだって…
未門
……
未門
なるほどね
桃香
……私、言ったこと…
未門
言わなくても知ってるよ
桃香
……ほんと?
未門
もちろん
桃香
……言えなくて、ごめんね
未門
たまに言ってくれる桃香が好きだよ
桃香
……ほんと、ずるい
桃香
……ありがとね、未門







