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静かな外で、ただ星を見つめてた
ようやく春らしくなった気候が心地よかった
暖かすぎず、寒すぎず
なんとも言えない、この空間が
昔から、嫌いになれなかった
夜のドライブが好きだった
風の匂いが好きだった
ほんの少しの特別感が、今でも好きだ
そこにある記憶はなんなのだろう?
よく、匂いで記憶を思い出す人だった
この匂いに込められた記憶は
どんなものだったのだろう?
……もう、思い出せない
もっと前まで、鮮明に思い出せたのに
別に、要らなくなった訳じゃない
ただ、多分
記憶の箱に丁寧にしまって
鍵をかけただけ
それは、大切なものだったから
だから、別に思い出せなくてもいい
少なくとも
この春の夜の匂いには
苦い記憶が含まれていない
そこにはあるのは
ただ、底なしに暖かくて
ゆったりとした雰囲気を与えてくれるものだ
もう、それだけでいい
それだけ思い出せれば、いい
もう少ししたら、帰ろう
たまに思い出すからこそ
それは特別感があり
特別に甘い記憶なのだから