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小学生の矢城
子供たち
子供たち
小学生の矢城
矢城はうつむく。目には今にもこぼれそうなほど涙をためている。思えば自分は、いつも自分のせいで周囲に迷惑をかけていた
子供たち
子供たち
ボールに当たった胸が痛い
同級生の笑い声が酷く頭に響く
なにもいえず、ただドッジボールのコートのラインを見ていた
ぼくのせいだ...
ぼくが早く動けなかったから、3組が負けたんだ
何度も見た同じような光景。慣れっこのはずなのに、胸の奥がキュッと締め付けられる
その時、一人の少女が彼の前に立ちはだかった
対戦相手だった、4組の娘だ
小学生の美羽
子供たち
小学生の美羽
クラスメイトの顔がみるみると赤くなっていった
子供たち
一人が怒声を上げながら彼女にボールを投げる
小学生の矢城
足はすくみ、動かなかった。現実から目を背けるように、彼は再び下を向いた
動けなかった。"またぼくのせい"でこの子がけがを...
...あれ?
少女の声が聞こえなかった。矢城は顔を上げる。そこには―
男子児童の渾身の投球を受け止めた彼女がいた
子供たち
小学生の美羽
彼女は受け止めたボールを小脇に抱え、男子児童を見下すように言い放った
ふん、と演技じみたように鼻を鳴らし、 その場にいた児童を睨む
子供たち
子供たち
そう言い、彼らは教室へと散っていった
しばらく矢城は口を開けなかった。お前のせいだと言われるのではないかとヒヤヒヤしていた
小学生の矢城
小学生の美羽
小学生の美羽
矢城はぽかんと彼女を見つめる
小学生の美羽
小学生の矢城
小学生の美羽
小学生の矢城
小学生の矢城
小学生の矢城
自分より少し背の高い少女を上目がちに見上げ、泣きそうになるのをこらえる
しばらく少女は、口元に手を当て、うーん、と唸っていた
またなにかしてしまったのではないか。無意識にそんな思いが湧き出る
やがてぽんと手を叩き高らかに言う
小学生の美羽
小学生の矢城
小学生の美羽
小学生の美羽
小学生の矢城
小学生の美羽
小学生の美羽
小学生の美羽
その目は自信に満ち溢れており、嘘はないように見えた
桃色のリボンが、彼女の動きに合わせて髪の上で揺れている
小学生の矢城
小学生の美羽
小学生の矢城
小学生の美羽
小学生の美羽
小学生の美羽
休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴った
小学生の美羽
小学生の矢城
彼女は颯爽と駆けていく。矢城も追いつこうと走る
初めての体験だった。守られ、しかもお前のせいだと言われなかったのは
その事実が、矢城にとっては大きな喜びだった
みうちゃんは守ってくれるんだ...
ぼくのせいじゃないって、 思ってくれたんだ...
小学生の矢城
自然と彼の足取りが軽くなる
美羽と矢城の出会い―運命の日だった
彼女を、彼は自ら手放した
――結局、オレは弱いままだったな
あれからどのように戦闘が終わったかは、矢城にはわからない
気づけば彼は本部の救護室にいて、 1人の隊員ー神崎さんのいるベッドの横にいた
美羽が異能を使いすぎたことにより、今は応急処置のみのようだ
神崎
矢城
矢城
神崎
神崎
彼は明るく矢城に笑いかける
彼の腕と腹に負った傷を見て、僕は思わず唇を噛んだ
矢城
神崎
神崎
矢城
違う。起きてしまったことはもう変わらない
この人が僕を庇って怪我をした事実も変わらないんだ
彼は、なっ?と同意を求めるように首を動かす
それには頷くしかなかった
自分のせいで誰かが傷ついた。その事実だけが胸にのこった
矢城は廊下に出て静かに扉を閉める
右側に気配を感じ横目で見る
そこには珍しく真剣な顔で壁にもたれる真がいた
矢城
真
めんご、と口元で手を合わせて言う
真
矢城
どうしても目をそらしてしまう
何も言わない彼のかわりに真が話し始める
真
矢城
真
真
真
矢城
矢城
別にこんなのよくあるし平気、と真は微笑んで手を振る
矢城
真
矢城
矢城
彼女は何も言えなかった
矢城
取り繕うように強くはねた声
矢城は口角を上げるが、その目元はひどく濁り、赤く腫れている
真
"選択"の結末は、少し先の未来――
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