短編

10月31日、ハロウィン

学校で話題になっている幽霊が出ると噂の廃れた城

遥か昔に神様とその使い、その他数人が住んでいた城らしい

どうせハロウィンなんてやることないんだからその城に仮装して侵入しよう

と、クラスの誰かが言い出して

その侵入に道連れ…じゃなくて

仲良く一緒に行ってくれるクラスメイトを探す係になってしまった

まじであいつ覚えておけよ…

まぁそんなことは置いておいて

クラスのほとんどの人に話し終わって

あとはこいつだけ…

右目と左目の色が違う

俗に言うオッドアイの少年

恐ろしいくらい綺麗な顔なのにあまり笑わない

こいつとはたまに話すけど

話し出したらめっちゃ話しやすいし

たまに笑う姿も儚いって感じでいい

連れてきてくれてありがとね

…帰ってきたよ。ただいま

ようやく離れられた

一緒に来てくれたのはありがたいけどここまで来させる訳にはいかない

だってここは…

おかえり

こっちを見た右目に

十字が刻まれているように見えた

左目を隠して、少し笑って僕は言う

かつて1回騙した友人に見せた様に

｢いつか本当のことが分かると思います。僕がその気になれば｣