愛が無かった、訳じゃないと思う
むしろ、愛していたと思う
それが、目の前で崩れる音がした
遠い遠い、誰かを見てる気分だった
だけど、それは紛れもない自分で
大切な人を守れず死んだ、自分で
目の前の人が、今にも消えかけている
嫌だ、どうか、来ないで
こっちに、来ないで
…………本当に?
一人ぼっちは、嫌いなくせに
大事な人ほど、突き放してきたくせに
自分じゃない誰かで、幸せになって欲しかったのに
死んだ後すら、彼女の事を縛るのか
……それも、悪くないな
肉体から離れた彼女の魂を
そっと捕まえる
そして、愛おしそうに見つめた後に
全てを縛る、愛の言葉を