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拓哉

(逃げるためにはどうしたらいいだろう。)

拓哉

(まず小春に説明をしなきゃいけないな…)

拓哉

拓哉

(そういえば、僕たちこの家に来てから…)

一回も外に出てない

拓哉

(これじゃあまるで監禁みたいじゃないか)

拓哉

(あと問題なのは監視カメラ…)

拓哉

(でもなんでお父さんはカメラがあるってわかったんだろう?)

拓哉

(まずはカメラの位置を把握しなかきゃ…)

きゃあ!

拓哉

ん!

小春

やめて!

拓哉

なんだなんだ!?

拓哉

は?

そこではお母さんが小春をたたいていた

小春

うわーん!

小春

お母さん怖いよおー

小春

私は可奈じゃないよ?

お母さん

うるさいわね

お母さん

何回言えばわかるの?!

お母さん

あなたは可奈よ?

お母さん

どこかで頭でも打ったの?

拓哉

ちょっと待ってお母さん!

拓哉

どうして小春をたたくの!?

お母さん

小春…?

お母さん

え…ああ

お母さん

小春ちゃん。

お母さん

ごめんなさい

お母さん

ごめんなさい

お母さん

お母さんどうかしてたわ。

お母さんは「小春」という名前を聞くと急に我に返ったように泣き崩れた。

小春

ねえ、拓哉

小春

お母さんこわかったよお

拓哉

ああ。怖かったな。(なんだなんだ?何がどうなってるんだ?)

拓哉

(どうしようか。小春に言うべきだろうか)

拓哉

(でも、小春にお父さんのことを言ってしまったら怖がるんじゃないか?)

ガチャ

お母さん

ねえ

お母さん

拓哉…

お母さん

正直に言って?

お母さん

お父さんからなにか言われたことない?

拓哉

え、例えば?

お母さん

例えば…そうねえ

「にげろ」とか

拓哉

え…

拓哉

ああ。ゲームの話?

お母さん

え…

お母さん

わからないの?

拓哉

ん?何のこと

拓哉

逃げる?

お母さん

いや、ごめんなさい

お母さん

何でもないの…

拓哉

(ふう…何とかごまかせたぞ!)

そう思った瞬間

ッチ。

僕の後ろで確かにお母さんが舌打ちをしたのが聞こえた。

僕のお母さん何かおかしい

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