「あ、こんにちは〜」
目の前の少女はそう言って笑う
……自分は何故、ここに居るのだろうと考える
だが、それは考えても分からないと思考を辞めた
「久しぶり…かな?」
「最近は会えてないね」
そう言って椅子に座る少女
いつものような、金髪のツインテールにワンピースを着ている
「ふふ、今日会えるなんてツイてるね」
そう言って、1層綺麗に笑う
まるで、作り物のように
「今日は、門の下に閉じ込められた人の日」
「世界は、彼をまだ探してる」
「世界は、それを探してる」
そう言って、この真っ白な部屋の天井を指さす
…何故真っ白な部屋なのにそれを天井と認識したのだろうか?
「そして、世界は」
「君達にそれを教える程、信頼してる」
「世界の愛は、とてつもない大きさの想い」
「世界からの愛は、ただただ重い」
「……だけどね」
今度は、こちらを見つめる少女
その目はどこか、狂気的な美しさだ
よく見ると、少女は美人なのだ
今更?と何故か頭の中で思った
「こちらとは、違う」
「君達への愛は重いが、軽いのかもしれない」
「うーん、なんて言えばいいんだろうね」
「多分、分かるんじゃないかな?」
「君達なら、きっと」
「ここまで来てくれた、君達なら」
そう言って、少女はまた椅子に座る
今度は机までセットだ
……いつの間に?
そして、椅子に座り
天井付近を眺め、一言
「誕生日おめでとう、世界から最も愛された人」
今度はこちらを向き、一言
「それじゃ、またね」
「観測者の皆様」
「……」
「今回のは、もしかしたら理解できる人とできない人に別れるかもね」
「でも、どうか安心して」
「世界は、それを隠したいんじゃなくて」
「ただ、まだ話す気にならないだけ」
「気まぐれなんだよね、世界って」
「それじゃ、今度こそ」
「またね、観測者の皆様」
コメント
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金髪のツインテールの少女の言葉はいつもふわっとしているけど、深い意味があるから不思議なんだよね…… 私たちに対する世界の愛は重いけど、「陰りの段位」の皆さんや桃香さんたちに比べたら世界の愛は軽すぎるってことかな……🤔💭 また金髪のツインテールの少女に会える日を楽しみにしていますね👋✨