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シングルマン2

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シングルマン2

2 - シングルマン2 第2話

♥

326

2021年09月20日

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バトラー

ではリョウさん

バトラー

あなたは『花婿』として

バトラー

これから25人の女性たちと

バトラー

ワインを飲みながら歓談していただきます

リョウ

(本当に…)

リョウ

(受かってしまった…)

リョウ

(タキシードに華やかな会場)

リョウ

(ドレスアップしたきれいな花嫁候補たち…)

リョウ

(これから…殺人が行われるなんて)

リョウ

(信じられないや…)

バトラー

カクテルパーティ後には

バトラー

スミレセレモニーがあります

バトラー

このスミレセレモニーで

バトラー

今回は5人の女性に脱落していただきます

バトラー

リョウ様にはこの白いスミレの鉢をお渡しします

バトラー

この旅を共にしたいと思う女性に

バトラー

この白いスミレを1本ちぎり

バトラー

プレゼントしてください

バトラー

今回のスミレセレモニーで渡すスミレの花の数は20本

バトラー

よくお考えになって

バトラー

誰を落とすのかをお決めください

バトラー

スミレセレモニーは

バトラー

これからも数回行われます

バトラー

そのたびに、女性を選んでいただきます

リョウ

…わかりました

リョウは真っ黒な鉢に植えられた白いスミレを見つめた

バトラー

それでは今から

バトラー

カクテルパーティを開始いたします

リョウ

(えっと…)

リョウ

(ミカコ…)

リョウ

(ミカコはどこだ…)

カホ

リョウ、捕まえた!!

リョウ

うわっ

カホ

一番先にタッチしたから、私ね!

カホはそう言って、にっと笑った

リョウ

えっと、俺は…

次の瞬間だった

カホの後ろに女の子が列を作って並び始めた

リョウ

(こ、この子たち全員と話さなきゃならないのか…?)

カホ

さ、いこ!

・・・

カホ

リョウ、さっきから誰か探してるの?

リョウ

え?

カホ

私のこと、ぜんぜん見てないでしょ

リョウ

そ、そんなことないよ…

カホ

…ねえ

カホ

もしかして、探してる人

カホ

カホ

ミカコさん?

リョウ

!!!!

カホ

え、嘘。本当に?

リョウ

仲いいの!?

カホ

いやー、私たちはみんな今日会っただけだし

カホ

あ、オリエンテーションみたいなのでも会ったかな

カホ

あの子だけ、すっごい落ち着いてて

カホ

『王子様が来るのを待ってる』

カホ

なんて言うからさ

リョウ

リョウ

…ごめん

リョウ

…俺、もう決めてる

カホ

リョウ

こんなこと言ったら…失格になったりするのかな

カホ

…ならないんじゃない

カホ

規定にはそんなこと書かれてなかった

カホ

海外のシングルマンでは

カホ

カクテルパーティで一目ぼれした女の子に

カホ

最後までスミレを渡し続けた人もいるみたいだし

リョウ

…俺も最後まで残す子は決めてる

カホ

…あ、そ

カホ

なにその顔

カホ

キミのことは殺さなきゃいけないから

カホ

悲しいとでも言う気?

リョウ

そんなんじゃ…

カホ

ほら、あそこにいるよ

リョウは慌てて立ち上がった

その背にカホは声をかけた

カホ

ちゃんと選んでよね!

カホ

あたしたち、みんな生きてるんだから!

リョウ

リョウはミカコのもとに走っていった

リョウ

ミカコ!

リョウ

ひさ…しぶり

ミカコ

…………

ミカコ

久しぶりだね

ミカコ

ユウと3人でご飯食べた以来、かな

リョウ

ユウに頼まれてきた

リョウ

俺はキミに決めている

リョウ

一緒にここを脱出しよう

すると、ミカコはぽろぽろと涙を流した

リョウ

…?

ミカコ

…ごめんね。嬉しいのに、悲しいの

ミカコ

私、自分のことばかり

ミカコ

助けてくれる王子様が来たって嬉しい気持ちでいっぱい

ミカコ

でも、リョウ君はそのために辛い役割を引き受けたんだよね

リョウ

…いいんだよ。俺が決めたんだ

リョウ

…正直、誰かを殺すなんて考えられないけど

ミカコ

そうだよねっ。辛いよね…辛いよね……

リョウ

っ。泣かないで

リョウ

(前に会った時は)

リョウ

(ぐいぐい話しかけられて苦手に感じたけど)

リョウ

(ユウの言う通りだ)

リョウ

(優しくて他人の気持ちを思いやる子)

リョウ

(殺人の冤罪っていうのも)

リョウ

(たぶん本当…なんだよな?)

リョウ

(こんなか弱い子が)

リョウ

(殺人なんてできるわけない…)

ミカコ

リョウ君。ここで私にできることはひとつだけ

リョウ

ミカコ

リョウ君が傷つかなくて済むように

ミカコ

私が殺す相手を選んであげる

ミカコ

どうせみんな殺しちゃう…。だったら

ミカコ

リョウ君が少しでも苦しまないように助けてあげたい

リョウ

ミカコ…

ミカコは泣き笑いのような表情でギュッとリョウの手を握った

ミカコ

この暗い暗いバージンロードを一緒に抜けよう?

リョウ

うん…!
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