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短編

58 - 儚く淡く、ただ暖かく

♥

300

2024年05月09日

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桃香

今日もいい天気だな〜

未門

だな〜

風魔

ですね〜

桃香

こんなにいい天気の日は日光浴に限るよね〜

風魔

ですね〜

風魔

風も冷たくなくて丁度いい感じです

未門

このまま続けばいいね〜

桃香

だね〜

桃香

……

桃香

………………

桃香

はぁ……

桃香

どうしよう……あれ……

〜時は遡ること数日前〜

桃香

……え?

桃香

……ごめん、もう1回言って貰える?

蒼空

はい

蒼空

今回、「世界から愛された国」に影響を受けた人がお祭りを開催するらしく

蒼空

その出し物の一環として神の使い様に歌って踊れる「アイドル」をして欲しいそうです

桃香

いや2回聞いても意味が分からない

桃香

何故!?

蒼空

……私に聞かれても…

桃香

いや……そうだよね

蒼空

まだ答えは言っていないので考える時間は沢山あります

蒼空

とりあえず……皆を集めますか?

桃香

うん……お願い……

桃香

……と、言う訳で

桃香

アイドルをやります

未門

何故?

桃香

いや……なんとなく?

未門

断ろうとは?

桃香

しなかったけど?

未門

いやなんで!?

未門

アイドルやるの!?

桃香

……えへ

未門

……はぁ

未門

まぁ、まだ答えは言ってないんでしょ?

蒼空

はい、一応

蒼空

ですが結構大きめの宣伝も出してあります

蒼空

断った方が後味が悪いのは確かです

桃香

それに、せっかくのお祭りは参加したいなぁ……なんて思ってるから

桃香

出来ればいい返事をしたいんだけど……

桃香

ちなみに、この中で歌とダンス出来るよ〜って人は……

……

桃香

居ない……よね

桃香

私も出来ないし……

桃香

……どうしよう

未門

歌だけならなんとか出来そうだけどね……

未門

ダンスは……うん……

蒼空

出来ない……ですね

雨嶺

同じくです

星奈

私も……苦手です

桃香

……どうしよ、本当に

未門

う〜ん……

桃香

とりあえず、返事はOKで返そうと思う

桃香

歌とダンスくらいなら練習すればどうにか……

蒼空

……本当に、大丈夫でしょうか…?

桃香

最悪私も頑張るから……

星奈

巫女様がやるのなら私も……!

桃香

……え、いいの?

星奈

や、やれるだけやってみます…!

桃香

……ありがとう

桃香

じゃあ蒼空

桃香

返事はOKでお願い

桃香

アイドル、頑張るぞ〜!

未門

おー!

そして数日後の現在…

桃香

……ダンス、全然出来ない…

桃香

思ったよりも運動神経が終わってた…

星奈

思ったよりも難しいですね…

蒼空

でも巫女様も星奈も成長はしてるし

蒼空

このままいけば大丈夫だと思いますが…

雨嶺

……なんか、大変そう

未門

俺達なにもできないからな…

風魔

……あの、未門様

未門

ん?

風魔

ずっと疑問に思っていたのですが

風魔

クルトを使えば良くないですか?

未門

……へ?

風魔

ダンスも歌も出来なくても

風魔

女装の外見だけは本物を超えそうな勢いですから

風魔

それに俺達神の使いの推薦さえあれば出ることくらい可能かと

風魔

外見だけで人気を集めそうなので使えばいいのでは…

風魔

何故か本人ここ数日居ませんし

風魔

拒否権は無くていいでしょうし

未門

クルト泣いていいんじゃないかな

桃香

……風魔

風魔

なにかありましたか?巫女様

桃香

……その案、採用

風魔

……え

桃香

クルトをセンターに置こう

桃香

そしたら私達が多少下手でもどうにか出来る

桃香

つかそうだと信じたい

桃香

今度クルト帰ってきたらその話しようか

星奈

……

星奈

(まぁあの可愛さなら仕方ないか)

一方その頃……

ウピル

そういえば主様

ウピル

八大陸で新たにお祭りをするそうですよ

ウピル

なにせ「世界から愛された国」に影響を受けたお祭りらしく

ウピル

最近流行りの「アイドル」をやるそうですよ

クルト

どうしてその話をボクにしたの?

クルト

わざわざ帰ってきてまで仕事してるのに……

アベリア

ごめんねシュガー

アベリア

それは僕じゃ出来なかった仕事で時間が無かったから…

クルト

……別に、お前を責めたい訳じゃないよ

クルト

むしろ今までよくやってくれた方だよ

アベリア

やだ僕嬉しくて泣きそう

クルト

んなことで泣くなよ…

クルト

んで、ウピル

クルト

お前がその話をわざわざボクにするってことは…

ウピル

えぇ、ご想像の通りかと

ウピル

その「アイドル」、センターを神の使いの皆様から推薦を受けた方がやるそうです

ウピル

何せ、絶世の美少女らしく

ウピル

どこからともなく急に現れるらしいですよ

ウピル

だから練習には参加していないらしいです

クルト

……十中八九、ボクだよなそれ…

ウピル

えぇ、間違いないかと

クルト

拒否権……

ベリアル

主様は最近ずっとこちらに居ましたし要らないと思われたのでは?

クルト

それが有り得るのが怖いよボクは……

ウピル

しかも、衣装も結構凝って作っているらしいですよ

ウピル

神の使いの方も練習を頑張っているようです

クルト

……はぁ

クルト

なんで……ボク毎回こんな感じなの…

クルト

……とりあえず、さっさと終わらせて帰ろうか

クルト

じゃないとなんかとんでもないことになりそう…

〜更に数日後〜

本番まであと一週間を切っていた

桃香

……よーし

桃香

結構いい感じに仕上がってきたね

星奈

ですね……

星奈

このままの調子ならしっかりとした形になりそうです

未門

初めからは想像できないくらい成長したよな…

風魔

ここ数日はずっと皆頑張ってましたから

風魔

あとは……

未門

……クルトがどうなるか、だよな

風魔

まぁ、あいつのことですし

風魔

そのうちふらっと……

クルト

……やっぱりボクの適当言ってたのお前かよ

クルト

ボクにも拒否権くらいあってもいいでしょ?

風魔

居ないそっちが悪いだろ

風魔

それに断らないと分かってやっているんだ

風魔

今更だろ

クルト

お前な……

クルト

……はぁ

クルト

桃香〜

クルト

帰ってきたよ〜

桃香

あ、クルト〜

桃香

おかえり〜

桃香

それで早速なんだけど…

クルト

はいはいアイドルの練習ね

桃香

……え

桃香

なんで知ってるの?

桃香

私言ったっけ?

クルト

ん?いや

クルト

ただ出先で聞いただけ

クルト

十中八九ボクのことだと思って急いで帰ってきたんだぞこっちは

クルト

ボクにも拒否権くらいちょうだいよ

桃香

いやぁ……それが……

桃香

……ごめん

クルト

まぁいいけどさ…

クルト

あ、あとこれあげる

桃香

ん?なにこれ

クルト

うーん…

クルト

なんて言えばいいんだろ

クルト

今回使う曲って「世界から愛された国」の曲でしょ?

桃香

え、うん

桃香

そうだけど…

クルト

あの大陸、結構特殊でさ

クルト

曲を使うのは作った人の許可が必要なんだよね

桃香

えっ、そうなの

クルト

そうそう

クルト

あの大陸は個人で作った創作物に関する決まりがしっかりしていてね〜

クルト

今回使う曲はあの大陸の有名作家「葉音」が作ったやつなんだけどなんだけど

星奈

え、そうなの?

クルト

え?そうだけど……?

星奈

葉音って、あの葉音さん!?

クルト

……多分、想像してる通りだと思うよ

星奈

もしそうなら……

星奈

クルト、まさかとは思うけど

星奈

全てが謎に包まれている葉音さんに

星奈

会ったってこと……?

クルト

え?そうだけど

星奈

……何者なんだ、この吸血姫

クルト

まぁそんなことはどうでも良くて

クルト

今桃香に渡したやつがその許可証みたいなやつだから

クルト

無くさないで持っていてね

クルト

ちなみにお祭り終わった後でも使っていいって言われてる

桃香

ありがとうクルト〜!!

桃香

じゃ、早速練習しますか!!

クルト

はーい

クルト

ちなみにこれ、歌だったはずだけど

クルト

どうするの?

未門

世界から愛された国の機材使って録音済み

未門

クルトだけ後で録音お願いしたい

クルト

ん、りょーかい

クルト

じゃ、やりますか〜

星奈

……葉音さん、会いたいなぁ…

クルト

……

クルト

なんか八大陸で使うらしいから君の曲の許可証くれ

「葉音」

いいよーん

「葉音」

はい、これね

「葉音」

お祭り、楽しんで

「葉音」

あと、アイドル期待してるね

クルト

……はぁ

クルト

はいはい、分かりましたよ…

なんて、二つ返事で葉音に会って許可証を貰ったなんて

星奈に言えない、クルトであった

〜そして、本番の日〜

桃香

よし……

桃香

ついに本番だ……

星奈

ここまで頑張ってきましたから

星奈

絶対に成功させましょう…!

クルト

それはいいんだけどさ……

クルト

衣装どうした!?

クルト

え、アイドルってこんな感じだっけ!?

桃香

あ……いや……それは……

星奈

今朝、匿名で衣装の寄贈があったんですよ

星奈

「ぜひともお使いください」って

クルト

……

クルト

(これ……ウピルか……)

クルト

……はぁ、分かったよ

桃香

まぁ可愛いんだしいいんじゃない?

桃香

それぞれの特徴も捉えているし

桃香

私は桃色

桃香

星奈は星の模様

桃香

クルトは……うん……

クルト

アイドルにティアラは要らねぇだろ……

星奈

似合ってるしいいのでは?

クルト

拒否権……

星奈

ありません

クルト

泣いていい?流石に

星奈

化粧が崩れるので辞めてください

クルト

ねぇさっきから星奈が辛辣なんだけど!?

桃香

そろそろ出番だよ〜

桃香

ほら、準備して

星奈

はい!

クルト

これ終わったらボク泣いていいかな…

「世界から愛された国」に影響を受けたお祭り

それは、八大陸の民にとって驚きの連続であった

会場は思っていたよりも人がおり

皆、あるステージの期待だけでここに居た

何を隠そう

「神の使い様の"アイドル"」である

普段からアットホームなことが有名な神の使い様でも

流石にこれを受けるとは思っていなかった民達は

神の使いに大いに期待をしていた

……それと同じくらい

「神の使い様の推薦を受けたセンター」

それも話題になっていた

そして、このお祭り

何故か他の大陸からも人が集まっていた

ほら、そこにも浮かれている3人が…

アベリア

シュガー!!!

ウピル

ちょ、アベリアさん!

ウピル

声が大きいですよ!

ベリアル

そういうウピルもね……

アベリア

いやいやだってだって!!

アベリア

シュガーがアイドルをするんだよ!?

アベリア

そんなの、見に来るしか無いでしょ!

アベリア

ちなみに、衣装はしっかり届けたよね?

ウピル

えぇ、もちろんです

ウピル

しっかりティアラも入れておきました

アベリア

ならあとは楽しむだけだね

ベリアル

ちなみになんですが、アベリアさん

アベリア

ん?どうしたの?

ベリアル

主様の服とティアラ、青色を主な色として使ってましたけど

ベリアル

あれで本当にいいんですか?

ベリアル

主様だからこそなのはもちろん承知してます

ベリアル

ですが、ここで皆様に見せてよかったんですか?

アベリア

……まぁ、いいんじゃない?

アベリア

その意味を本当に知ってる人達は皆今日来ないって言ってたし

アベリア

それに、何より僕が見たかったからね

ベリアル

……アベリアさんがいいならいいのですが

アベリア

それに、シュガーならなんだかんだ着てくれるでしょ

アベリア

あの色を選ぶのは僕だって知ってるからね

ベリアル

……ですね

ウピル

なんだかんだ、主様も楽しそうでしたから

ウピル

いいんじゃないですか?

アベリア

だね〜

アベリア

じゃ、時間まで待っていようか

ベリアル

ですね

ウピル

最前列取ります?

アベリア

いや別に大丈夫

アベリア

シュガーのことなら遠くでも見つけられる

ウピル

あっ……はい……

会場に響くアナウンス

自然と太陽の光がステージに集まる

神妙な、どこか不安げな雰囲気が会場を包み込む

そして、その沈黙を破るために

その場に、降臨した

沈黙を破る軽快な音楽

ステージの両脇から登場する2人の姿

そこには、「神の使い」なんて肩書きはいらない

そこには、「アイドル」が居た

桃香

みなさーん!こんにちは〜!!

桃香

本日はお集まりいただき、ありがとうございます!

桃香

思う存分、楽しんでください!!

キラキラと、ステージで踊る2人

ただ、楽しそうに、キラキラしている

魅入っている内に、曲は2番へと向かった

そして、一瞬の静寂と光の消失

再び光がステージを照らした時

今日1番の歓声が響いた

クルト

(えぇ……こんなに……?)

そこに舞い降りたのは

確実に、天使だった

アベリア

シュガ〜!!!

アベリア

可愛いよ〜!!!!!

アベリア

お姫様〜!!!

ウピル

ちょ、ちょ、アベリアさん!?

風魔

……巫女様の方が

未門

なんでそこに対抗心燃やしてんだよ…

蒼空

流石、としか言いようがないですね

雨嶺

あはは……

雨嶺

いやぁ……ここまで来ると怖いね

会場の熱は最高潮のまま

アイドルステージは幕を下ろした

後日、お祭り主催者からめちゃめちゃ感謝され

もう一度やらないかと言われたがお断りしておいた

そして、クルトの件なのだが…

桃香

……いや、これは…

星奈

嬉しい誤算……ですかね……

クルト

ボクそろそろ泣く権利欲しいんだけど……

「是非当事務所に所属を!」

というものが大量に届いた

それに泣きたくなる、クルトであった

……ちなみに、その勧誘チラシは数日もしないうちに来なくなった、らしい

アベリア

〜♪

この作品はいかがでしたか?

300

コメント

3

ユーザー

待ってwww最後めちゃくちゃ笑ったんだけどwww「当事務所に所属を」ってwww絶世の美女すぎんだろクルトさんwwwしかもアベリアさんが裏で手を回してるのも流石というかwww面白い😂😂 めちゃくちゃ最高だった!!リクエスト答えてくれてありがとおお🫶🫶 クルトさんに拒否権を与えず、着々と物事を進めていく風魔さんとそれに乗り気な桃香さんに一生ついていきたいと思った!! やっぱりクルトさんは

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