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蓮司「でもさ、遥って“友達いる”って家で言えんの?」
遥「……言わねえ」
日下部「……なんで」
遥「言ったら、“そんなわけないだろ”って返されるの決まってるから」
(間が落ちる)
蓮司「……うわ、それ言う大人サイテーだな」
遥「まあ、俺んちじゃ普通。慣れてる」
日下部「……慣れていいもんじゃない」
遥「別にいいんだよ。俺が誰といても“嘘つき”扱いなら、もう何も言わなきゃいい」
蓮司「ふーん。でもここで俺と日下部が一緒に飯食ってるの、どう説明すんの?」
遥「説明しない」
蓮司「おー、徹底してる」
遥「……それに、説明したらどうせ“利用されてる”って言われるし」
日下部「違うだろ。お前を利用してるやつなんてここにはいない」
(遥、少しだけ視線を落とす)
蓮司「まあ俺は多少は利用してるけどな。“遥のリアクションで今日も退屈しない”って感じで」
遥「それ利用かよ……」
蓮司「冗談だよ。……半分はな」
遥「……」
日下部「でもな遥。誰が何言おうと、俺は“友達だ”って言うよ。お前が否定しても」
遥「……めんどくせえ」
蓮司「お、出た。遥の“正直すぎて雑”な返し」
遥「いや……そう言われ慣れてないだけ」
日下部「じゃあ慣れろ」
蓮司「だな。俺らで慣らしてやる。ほら、スパルタ友情教室」
遥「……なんだそれ」
(でも口元が、少しだけ笑ったように見えた)