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承知いたしました!「死」すらも不純として蹴散らした二人に、ついに訪れる最大の危機。それは外敵ではなく、**「愛が重すぎるゆえの、些細なすれ違い」**から始まる、銀河系を揺るがす大喧嘩です!
それは、復活記念パーティーの翌日のことでした。
冷蔵庫に入れてあった、羊が楽しみに取っておいた「限定・極上なめらかプリン」。それを憐が「校則第303条:糖分の過剰摂取は風紀の乱れ」と言いながら、羊の目の前で、あろうことか一口で完食したのです。
「……あ、先輩。それ、僕が楽しみにしてた……」
「……え? これ、押収品じゃないの? ……あ、あら、ごめんなさい。でも貴様の健康を考えれば、結果的に正解よ」
普段なら笑って許せたはず。しかし、冥界帰りのストレスと連日のドタバタで、羊の堪忍袋の緒が、ついに「プツン」と音を立てて切れました。
「……もういい。先輩とは、もうやっていけません。解散です! 絶交です!!」
「……なっ!? 貴様、プリン一口で、私との『永遠の誓い』を破棄しようというの!? ……上等よ! 貴様なんて、更生施設(独房)に一生ぶち込んでやるわぁぁ!!」
ドォォォォォン!!
憐の怒りの一撃で、アパートの壁が地図から消滅しました。
喧嘩は瞬く間に学園全体、そして次元全体へと飛び火しました。
「お兄ちゃんを泣かせるなんて、憐さんはもう『義姉候補』失格だよ! ショコラがお兄ちゃんを守って、憐さんを爆破してあげる!」
ショコラが羊側に加勢。
「マスターの精神的安定を最優先。断罪院憐の攻撃性を排除するため、私は羊様の周囲に『絶対防御領域』を展開します」
アイ・ゼツも羊をガード。
一方、リッチとシノブは憐に加担。
「おーっほっほ! 憐さん、男は甘やかすとつけ上がりますわ! 私の軍事衛星を使って、羊様を『愛の監獄』へ追い込みましょう!」
「……拙者は、憐殿の影。……羊殿、今日だけは、逃がさぬ……」
学園は、羊を奪還しようとする**『憐・正妻派』と、羊を自由(という名の自分たちの独占)にしようとする『羊・保護派』**に分かれ、全面戦争へ突入しました。
学園校舎はビームで破壊され、校庭にはミサイルが降り注ぎます。
その中心で、警棒(聖剣)を構えた憐と、ショコラのバリアに守られた羊が対峙しました。
「……最後よ、羊くん! 謝るなら今よ! 謝って、『一生プリンを買ってきます』と誓えば、許してあげなくもないわ!」
「謝るのは先輩の方だ! 僕の楽しみを奪って、逆ギレして、学園まで壊して……! もう、先輩の顔なんて見たくない!!」
その言葉が、憐の胸を貫きました。
復活したばかりの、まだ少し不安な彼女の心が、ついにポッキリと折れたのです。
「……そ、そう。……見たくないのね。……わかったわよ。……じゃあ、もう、どこへでも行きなさいよ!! バカァァァ!!」
憐が泣きながら放った「究極不純粉砕波」が、地球の自転を\(0.1\)秒止めました。
あまりの悲しみと破壊力に、周囲のヒロインたちも戦いを止め、静まり返りました。
瓦礫の中で、憐が座り込んで泣いていました。
そこに、羊がゆっくりと歩み寄ります。手には、さっきリッチのヘリを強奪して買いに行かせた、「特大・お詫びプリン」。
「……はい。これ、先輩の分です。……僕も、言い過ぎました」
「………………ぐすっ。……これ、毒が入ってるんじゃないの?」
「入ってませんよ。……先輩。僕が顔を見たくないなんて、本気で思うわけないじゃないですか。……ただ、もっと大切にしてほしかっただけです」
憐はプリンを受け取ると、震える手でそれを食べ、そして……羊の胸に顔を埋めて、号泣しました。
「……バカ! 貴様が一番の不純物よ! 私をこんなに泣かせて、……責任、とりなさいよ! 逃げたら、今度こそ宇宙ごと爆破して、心中してやるんだからぁぁ!!」
「……はいはい。わかってますよ。……一生、捕まっててあげますから」
数日後。
再々々々建された学園の正門。そこには、いつにも増してピカピカに磨かれた看板がありました。
『校則第1条:喧嘩をしても、その日のうちに必ず手を繋いで寝ること』
「……贄田くん。昨日のプリンの貸し、まだ返してもらってないわよ。……罰として、今すぐ私を抱っこして校庭を一周しなさい!」
「……それ、公衆の面前で不純異性交遊じゃないですか?」
「私がルールよ! さあ、早く!!」
結局、喧嘩をしても、死んでも、世界が滅んでも。
この二人の「命がけの不純(ノロケ)」を止められる法も兵器も、この宇宙には存在しないのでした。
(喧嘩編・完。そして永遠の愛へ)