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ぬいぬい
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慰麗梳(イリス)
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ああ……。読んでる間、ずっと息が詰まるようだった。金属の熱さ、命令の短さ、逃げ場のなさ——描写が最小限だからこそ、痛みと恐怖が直接伝わってきた。特に「正解がない」って一文が重かった。何を選んでも、どうやっても終わらない。遥が立たされている場所の残酷さがひしひしと伝わる回だった。
放課後。
空き教室。
カーテンは半分閉まっている。
光が弱い。
机の上に、金属の棒。
見た瞬間に分かる。
触れてはいけない温度。
でも、置かれている。
理由みたいに。
「来い」
呼ばれる。
近づく。
止まれない。
止まった瞬間に、腹に衝撃。
「止まんな」
短く。
それで十分。
「ゲームな」
軽い声。
いつもと同じ。
「簡単」
続く。
「言った通りやれ」
それだけ。
それだけで終わらないのは、分かっている。
「手出せ」
言われる。
一瞬、止まる。
その一瞬で、横から蹴られる。
バランスが崩れる。
「早く」
低い声。
出す。
震える。
でも、出す。
「触れ」
短い命令。
机の上。
金属。
分かっている。
触れたらどうなるか。
頭が拒否する。
体が止まる。
その瞬間、腹に一発。
深い。
息が抜ける。
「聞こえてる?」
低く。
逃げ場がない。
「……無理」
出る。
小さく。
でも、確かに。
その瞬間、空気が変わる。
「は?」
低い声。
距離が詰まる。
「無理って何」
目の前。
逃げられない。
首元を掴まれる。
押し込まれる。
机に。
顔が近づく。
熱が伝わる。
近い。
逃げられない。
「やれよ」
低く。
命令。
手を動かされる。
自分じゃない動き。
押される。
無理やり。
触れる。
一瞬。
でも、十分。
焼ける。
遅れて、痛み。
鋭い。
引こうとする。
でも、押さえられる。
「離すな」
低い声。
さらに押し付けられる。
熱が食い込む。
声が出る。
抑えきれない。
「うるせえ」
すぐ来る。
押さえつけられる。
数秒。
長い。
限界を超える。
その直前で、手が離れる。
反射で引く。
息が荒くなる。
手のひらがじんじんする。
感覚がまとまらない。
「ほら」
誰かが言う。
「できるじゃん」
笑い。
軽い。
でも、逃げ場はない。
「次」
すぐ来る。
間がない。
「もう一回」
同じ命令。
同じ場所。
さっきより、怖い。
体が拒否する。
でも、
「やれよ」
低く来る。
「……できない」
出る。
息が乱れたまま。
その瞬間、腹に連続で入る。
一発。
間を置かず、もう一発。
さらにもう一発。
息が完全に止まる。
膝が落ちる。
でも、
「立て」
無理やり引かれる。
逃がされない。
「選べよ」
別の声。
軽い。
「自分で触るか、押されるか」
選択。
でも、意味がない。
どっちも同じ。
分かっている。
「……自分で」
口に出る。
その方が短い気がする。
手を出す。
震える。
でも、止まらない。
止まれない。
触れる。
また焼ける。
痛みが重なる。
さっきより強い。
でも、離さない。
離したら、また来る。
分かっている。
「はい、離すな」
すぐ来る。
追加される。
条件が増える。
逃げ場が消える。
限界。
でも、
「ほら」
笑い。
「遅え」
また来る。
正解がない。
手が勝手に離れる。
反射。
体が拒否する。
その瞬間、首を掴まれる。
締まる。
一気に。
息が止まる。
「離すなって言ったよな?」
低い声。
力が強くなる。
視界が揺れる。
音が遠くなる。
限界の直前で、手が離れる。
空気が入る。
咳が出る。
止められる。
「ほんと使えねえな」
笑い。
軽く。
でも、全部を決める。
机の上。
まだ熱が残っている。
手のひらも、まだ熱い。
感覚がまとまらない。
でも、
「もう一回な」
声が来る。
終わらない。
遥は立っている。
逃げられない場所で。
選んでも意味がなくて、
やっても終わらなくて、
できなければ壊される中で。
ただ、次の命令を待たされる。