テラーノベル
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放課後。
空き教室。
カーテンは半分閉まってる。
机が一つ、真ん中に出されてる。
その上。
電源の入った半田ごて。
先端がじわっと光ってる。
近づくだけで、熱が分かる。
「お、来た来た」
明るい声。
「今日これな」
指で示される。
半田ごて。
笑いが軽く広がる。
「シンプルでよくね?」
「分かりやすいし」
楽しそうに話してる。
ゲームの話みたいに。
「来いよ」
軽く呼ばれる。
足が止まる。
その瞬間、腹に一発。
鈍い音。
息が抜ける。
「止まんなって」
笑いながら。
机の前に立たされる。
逃げ場がない距離。
「ルールな」
誰かが言う。
指を立てる。
「5秒」
もう一人が続く。
「ズレたら最初から」
「あと」
笑いながら、
「ちゃんと同じとこな」
重ねる。
笑い。
「えぐ」
「それいいじゃん」
盛り上がる。
「ほら、手」
言われる。
出さない。
一瞬だけ。
その瞬間、横から蹴り。
膝が揺れる。
「早くしろよ」
軽く。
でも、逃げられない。
出す。
「いけるっしょ?」
顔を覗き込まれる。
「無理とか言うなよ?」
笑い。
周りも笑う。
「……無理」
出る。
小さく。
その瞬間、
「はい出た」
笑いながら。
腹に一発。
息が潰れる。
「禁止ワードな」
軽く言われる。
「“無理”言ったら一発ね」
追加ルール。
笑い。
「分かりやす」
半田ごてを持たされる。
手が震える。
先端が近い。
熱が伝わる。
「ほらほら」
急かされる。
「早くしないと冷めるぞ」
笑い。
冷めない。
分かってる。
でも、言う。
楽しんでる。
「当てろ」
短く。
命令。
手が止まる。
その瞬間、後ろから腕を掴まれる。
「遅えって」
笑いながら。
くつしたのあな
317
そのまま押される。
触れる。
一瞬。
でも、
「離すな」
すぐ来る。
手首を押さえられる。
固定。
逃げられない。
熱が食い込む。
遅れて、痛みが跳ねる。
強い。
鋭い。
「っ、あ……っ、あぁ……!」
声が漏れる。
抑えられない。
体が引こうとする。
でも、押さえられてる。
「うわ、やば」
誰かが笑う。
「声出てんじゃん」
面白がる。
「はい、まだ」
声。
「3秒」
数えられる。
長い。
異常に長い。
「ぁ……っ、や、やめ……っ!」
言葉になる。
でも、
「禁止ワードじゃないからセーフ」
笑い。
軽い。
でも終わらない。
「ズレてる」
急に言われる。
その瞬間、手が離される。
反射で引く。
息が荒くなる。
「はいリセットー」
明るい声。
拍手。
「もう一回」
楽しそうに。
手のひら。
赤くなってる。
一部、白く変わってる。
中心が、少し膨らむ。
皮膚が浮いてる。
じわっと。
触れてないのに痛い。
脈打つみたいに。
「え、ちゃんとやれよ」
覗き込まれる。
「もうできてんじゃん」
笑い。
「……できない……っ」
出る。
息が乱れたまま。
その瞬間、
「はい」
腹に一発。
「言ったよな?」
笑いながら。
もう一発。
息が完全に止まる。
「立てって」
引き上げられる。
逃がされない。
「ほら、自分でいけよ」
半田ごてを押し付けられる。
手に。
震える。
でも、
「早く」
低く来る。
触れる。
同じ場所。
重なる。
痛みが跳ねる。
「っ、あぁぁ……っ!!」
声が強く出る。
止まらない。
皮膚が変わる。
赤い部分の中心が、さらに白くなる。
少し、ただれていく。
輪郭が崩れる。
じわっと膨らむ。
触れてる場所が、分かる。
分かりすぎる。
「うわ、きた」
誰かが笑う。
「それいいじゃん」
盛り上がる。
「はい、離すな」
追加される。
逃げ場が消える。
手が震える。
ズレる。
ほんの少し。
その瞬間、
「アウトー」
明るい声。
笑い。
「ほんと下手だな」
「センスないわ」
軽く言われる。
でも、全部否定になる。
「なあ」
誰かが言う。
「もういいんじゃね?」
一瞬、空気が変わる。
終わるかと思う。
でも、
「じゃあ俺やるわ」
すぐ続く。
笑い。
半田ごてが奪われる。
手から。
逃げたみたいに軽くなる。
でも、
「押さえといて」
言われる。
すぐに腕を掴まれる。
動かせない。
「ちゃんと見ろよ」
顎を上げられる。
逃げられない。
半田ごてが近づく。
ゆっくり。
わざと。
「どこがいい?」
笑いながら。
誰かが言う。
「同じとこでよくね?」
即決。
「いくぞ」
軽い声。
でも、逃げられない。
押し当てられる。
直接。
逃げ場なしで。
一気に。
「っ、あああぁぁっ!!!」
声が出る。
抑えられない。
体が跳ねる。
でも、押さえられてる。
離れない。
「うるせえって」
笑いながら。
さらに押し付けられる。
皮膚が崩れる。
さっき膨らんでた部分が、潰れる。
形が変わる。
じわっと広がる。
熱と痛みが一緒に来る。
「やば、すげえ」
笑い。
盛り上がる。
数秒。
やっと離れる。
手が解放される。
でも、感覚がまとまらない。
痛みが残る。
消えない。
「ほら」
誰かが言う。
「ちゃんとできたじゃん」
笑い。
軽く。
「最初からこうすればよかったのに」
続く。
全部をひっくり返す。
遥は立っている。
手が震えてる。
でも、止まらない。
止められない。
ここでは、
できなくてもやらされて、
できても終わらなくて、
最後は他人にやられる。
それが、普通に回っている。
コメント
1件
うわ……これ、読み終わってしばらく息が止まってた。 「無理」って言ったら一発、っていうルールの追加の仕方とか、「最初からこうすればよかったのに」で全部ひっくり返す流れ、読んでて胃のあたりがぎゅっとなった。 半田ごての熱がこっちにも伝わってくるみたいな描写の生々しさに、ずっと息を詰めて読んでた。 この空間の閉塞感、逃げ場のなさをここまで一つのエピソードに詰め込めるの、すごい。 次の展開が気になる……。