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廃神社内(本殿近く)
(懐中電灯を持つ日下部。ぎこちない足取り)
日下部「……いますかー?」
(……静寂)
日下部「……返事、ないよな。うん、そりゃそうだ」
(背後――)
???「……いるよ」
日下部「ひっ!?」
(即座に振り向くも、誰もいない)
日下部「おい……蓮司?遥? ふざけんなよ……!」
(さらに奥から何かが「カサッ」と動く音)
日下部「マジでやめろって……!」
神社前。
遥「……なあ、さっきの声、お前じゃないよな」
蓮司「は? お前だろ」
(沈黙)
遥「……行くか」
蓮司「あー、行くしかないかー。俺、今日だけは真面目に兄貴ポジいくから」
遥「兄貴ポジやるには顔がうるさい」
蓮司「ほっとけ!」
神社内。再び。
(日下部、本殿の裏にしゃがみ込んでいる)
日下部「……絶対いる。なんかいる。俺、間違ってない」
(そのとき、横からぬっと現れる蓮司)
蓮司「よぉ☆」
日下部「うわああああああああッ!!!」
(跳ね上がってぶつかる)
蓮司「ごめんごめん!マジごめん!お前そんな跳ぶ!?」
遥(背後からひと言)「正直、尊敬した」
日下部「ッッッざけんなあああああああ!!」
(しばし騒ぎが続くが、三人で灯籠に腰かけて落ち着く)
蓮司「てか、なんか聞こえたのマジだった?」
日下部「……“いるよ”って聞こえたんだよ、マジで」
遥「それ、俺も外で聞いた」
蓮司「……俺じゃないんだけど」
(沈黙)
蓮司「……帰ろっか」
遥・日下部「賛成」