テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
日下部「……お前ら、あとで絶対仕返しするからな……マジで」
遥「泣きそうな顔で言っても説得力ない」
蓮司「いやあ、あれはマジで跳んだな。素で。俺、ちょっと感動したもん」
日下部「俺はお前に軽く殺意抱いたけどな……」
蓮司「そっちも生きてる証拠だな」
遥「蓮司、それっぽいこと言ったつもりだろうけど、全然意味わからん」
蓮司「勢いよ勢い。雰囲気重視!」
日下部「はー……やっぱ来なきゃよかった……」
遥「でもまあ、ほら。案外こういうの、悪くないだろ」
日下部「……なんだよ、“案外悪くない”って。どの口が言ってんだ」
遥「お前が言われて嬉しいセリフを俺が拾ってやっただけだろ。ありがたく思え」
日下部「拾ってねぇよ。捨てられた気分だわ」
蓮司「じゃあ俺がもらっとく」
日下部「意味がわからん」
蓮司「三等分って平和だなって話だよ」
遥「……お前、さっきまで“兄貴ポジ”とか言ってたよな?」
蓮司「兄貴だってたまにはお化けにビビる。俺、人間だもん」
日下部「蓮司はまず人間の自覚持ってから出直してこい」
遥「……でもまあ、日下部が叫んだ瞬間、正直俺もちょっとビビった」
日下部「俺の叫び声に驚くなよ……! そっちじゃねえだろ、驚くべきは!」
蓮司「お前の肺活量にだろ? 俺、ちょっと羨ましかった。マジで声通るよな」
日下部「体育の授業かよ」
遥「じゃあ次、校舎裏でも試すか。深夜の学校。……ビビらないならな」
蓮司「おお、いいね。心霊スポットツアー編、第二弾」
日下部「お前らほんと懲りねぇな……!」
蓮司「楽しいからな?」
遥「……誰かと一緒なら、な」
(ふっと、三人の間に短い沈黙)
蓮司「お前が言うと重いわ」
日下部「一周回って素直に同意しかけた俺を返せ」
遥「うるせえ。もう帰るぞ。真面目に寒いし」
蓮司「はいはい、自販機寄ろうぜ。ホットのコーンスープ買うから」
日下部「……俺も買う」
遥「甘えか」
日下部「違う。温もりだ」
蓮司「じゃあ次の肝試しは温泉地でやるか?」
遥「それ、もうただの旅行だろ」
蓮司「正解!」
(ふっと、三人の笑い声が夜の空気に溶けていく)
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!