テラーノベル
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あらすじ夜になると眠らない水族館では、魚たちが水槽の中で人間のゆめを食べる。
ゆめを食べられた人は翌朝、不思議なほど気分が軽くなり、迷いや重さから解放されるが、自分が何をゆめみていたのかだけが、静かに欠け落ちる。その事実はほとんど知られておらず、多くの人は理由のない安らぎとして受け入れていた。
主人公もまた、ゆめを失った一人だったが、胸の奥に残るかすかな違和感だけは消えなかった。失われたゆめの行き先は、水族館の奥にいる大きく光るクジラが知っているらしい。主人公は夜の水族館に足を踏み入れ、巨大で眩しく光るクジラと対面する。
クジラは問いかける。
自分自身のゆめを、もう一度追いかけたいのか、と。
主人公が何を選んだのかは語られないまま、水族館はいつも通り朝を迎える。よく眠れたと笑う人々の中で、主人公の姿だけが見つからないまま、物語は静かに終わる。