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(教室内、文化祭の話し合い中。紙くず飛び交い、ざわついている)
女子「じゃあ、ポスター描く係決めよー。えっと……あー、遥って絵とか描けるの?」
(一拍)
男子「あっは、やめとけやめとけ。画用紙まで腐るわ」
(数人が笑う。遥は無言のまま、自分の机を拭くように指でなぞっている)
女子「……あ、じゃあ美術部の三島くんで」
蓮司(廊下からひょいと顔を出し)
「お、楽しそうじゃん。美術展でも開くの?」
女子(やや食い気味に)
「蓮司、関係ないでしょ。もう決まったんで」
蓮司
「へぇ。じゃあそこの死にそうな顔のやつ(遥)には何やらせるの? 空気清浄?」
(再び小さな笑い。遥は無反応。椅子を引いて立ち上がる)
日下部(小さく)
「……手伝わせる気ないくせに、名前だけ出すなよ」
(その声に、女子が少しムッとする)
女子
「は? べつに出したくて出してないけど? てか別に参加したくなさそうだし。ね?」
(遥は無言でそのまま教室を出る)
蓮司(軽く口笛を吹きながら)
「ま、文化って“燃やす”って字入ってるし。燃え尽きる予定の人にはちょうどいいじゃん?」
日下部(低く)
「……お前、そういう言い方しかできないのか」
蓮司
「うん。俺、優しくできるの沙耶香だけだから」
(沈黙。教室は再びざわつくが、日下部の視線は遥の背中の消えた扉に向けられたまま)