テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#虐待
ruruha
49
#一次創作
ruruha
544
ruruha
732
📩 相談
中学一年・Mさん
この前、友達と喧嘩しました。
私が約束の時間に遅れたのが原因です。
ちゃんと謝りました。
言い訳もしなかったし、「次から気をつける」って言いました。
でも、友達はまだ怒ってるみたいで、前みたいに話してくれません。
LINEも短いです。
最初は、「まだ怒ってるなら仕方ない」って思ってました。
でも、何日か経つと、「私、ちゃんと謝ったのに」って思うようになって。
なんでまだ許してくれないんだろうって、ちょっと腹が立ってきました。
でも、そんなことを思う自分も嫌です。
私が悪かったのに、許してくれない相手に腹を立てるなんて最低だと思って。
結局、私は何をしても駄目なんだなって思いました。
遥「謝ったのに、相手の態度が変わらなかったのが苦しかったんだ」
M「はい」
蓮司「『謝ったんだから、もう許してくれるはず』って思ってた?」
M「……そうです」
日下部「でも、謝ることと、相手がすぐ許すことは別だよ」
M「……」
遥「自分が悪かったことは分かってるんだよな」
M「はい。遅れたのは私が悪いです」
遥「じゃあ、そこはちゃんと認めてる」
M「はい」
遥「それなのに、まだ許してもらえてないからって、『私は何をしても駄目』までいっちゃうんだ」
M「……そうなります」
蓮司「あと、『私が悪かった』から『相手に腹を立てちゃいけない』にもなってる」
M「……」
蓮司「そこまでセットにする必要ある?」
M「でも、私が先に悪いことをしたので」
蓮司「悪いことをしたら、その後は何を言われても何を感じても全部我慢しなきゃいけないの?」
M「……それは、違うと思います」
蓮司「だろ」
日下部「相手がまだ怒ってることと、自分が傷ついたことは両立する」
M「……」
日下部「『私が悪かった』と『今の言い方は嫌だった』は、どっちか一つじゃない」
M「でも……」
遥「『謝ったのに』って思うのも、そんなにおかしくないと思う」
M「……いいんですか?」
遥「思うだけならいいだろ。『 謝ったんだから、もう許してよ』って相手に無理やり言うのとは違うし」
M「……」
遥「ただ、自分の中で『謝ったのに許してもらえない=もう駄目』にしちゃうと苦しくなる」
蓮司「そもそも、謝罪って許してもらうための交換券じゃないからな」
M「交換券?」
蓮司「『私が謝った。だからあなたは許す』っていう取引じゃないってこと」
M「……ああ」
蓮司「謝るのは自分ができること。許すかどうかは相手が決める」
M「じゃあ、私には何もできないんですか?」
日下部「できることはある」
M「何ですか?」
日下部「次から遅れないようにすること。必要なら、もう一度謝ること。相手が話したくなるまで待つこと」
M「……」
日下部「でも、相手の気持ちまで自分が決めることはできない」
M「……もし、ずっと許してもらえなかったら?」
遥「その時は、その時だろ」
M「……」
遥「まだ起きてないことまで、『もう駄目だ』って決めなくていい」
M「でも、今は避けられてる感じがします」
蓮司「じゃあ、今は友達が怒ってる。それだけ分かってればいい」
M「それだけ?」
蓮司「『怒ってる』から先を勝手に足さない。もう嫌われた、もう信用されない、もう何しても無駄。そこまで全部、自分で決めてるだろ」
M「……確かに」
日下部「相手がまだ怒ってることを、自分への判決にしなくていい」
M「……」
遥「それに、謝ったことまで否定しなくていいよ」
M「?」
遥「今回、自分が悪かったって思って謝ったんだろ?」
M「はい」
遥「じゃあ、そのことは残る。許してもらえたかどうかとは別に」
M「……」
遥「『ちゃんと謝った』っていう自分の行動まで、『でも許されなかったから意味がなかった』にしなくていい」
M「……なんか。私、許してもらうところまで自分の責任だと思ってました」
蓮司「そこまで背負ったら、そりゃ疲れる」
日下部「責任を取ることと、相手の気持ちを変えることは違うから」
M「……。じゃあ、今はまだ普通に話せなくてもいいんですか?」
日下部「相手がそういう状態なら、無理に戻そうとしなくていい」
M「私から話しかけるのは?」
遥「話したいなら話しかけてもいいと思う」
M「でも、無視されたら……」
遥「傷つくと思う」
M「……はい」
遥「でも、それで『やっぱり私は駄目だ』まで行かなくていい」
M「……」
蓮司「一回の喧嘩で、人間全部の評価を決めるなってこと」
M「……難しいです」
日下部「最初からできなくてもいいんじゃない」
M「……」
日下部「今は、『私は悪かった。でも、まだ全部が終わったわけじゃない』くらいでいい」
M「……それなら、できそうです」
遥「うん」
M「謝ったのに許してもらえなかったからって、もう一回自分を責め直さなくてもいいんですね」
遥「うん」
蓮司「謝った後まで、自分で自分に追加の罰を出す必要ないだろ」
M「……ふふ」
日下部「反省するなら、次に同じことをしない方に使えばいい」
M「……はい」
🗝 三人からのことば
遥
「謝ったことまで、『許してもらうための取引』にしなくていい。悪かったことは認めて、自分が傷ついたことも認めていい」
蓮司
「謝るのは自分の行動。許すかどうかは相手の選択。相手の反応まで、自分の人間性の評価にしない」
日下部
「責任を取ることと、相手の気持ちを変えることは別。謝る、直す、時間を置く。自分にできることをしたら、相手の気持ちは相手に任せていい」
コメント
1件
第7話、めっちゃ刺さりました……「謝ったのに許してもらえない=自分はもう駄目」って思考、わたしもよくやっちゃうんですよね。でも遥くんたちの「謝るのは自分の行動。許すかは相手の選択」っていう言葉に、はっとしました。謝ったことまで否定しなくていいんだって、じんわり胸が楽になりました。三人の優しいけど突き放さない距離感がすごく好きです。ruruhaさんの描くこういうリアルな悩みに寄り添う話、本当に心に残ります🕯️