テラーノベル
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日時:20■■年6月26日午後4時32分
場所:■高校付近
インタビュアー:朱雀機関D級調査員・TR
取材対象:M少年のクラスメイト・S少年
あんたら何? Mの話なら知っていることは全部、話しただろ?
これ以上は俺から言えることなんてなんも……。
――――突然押しかけて申し訳ない。だが、君も話しそびれていることがあるだろう。例えばM君が気にかけていた、背の高い女性のこととか。
はぁ? だから、あの女のことはそっちが聞こうとしなかったんじゃねーかよ。どう考えても、あの女は怪しいってバケモノだって言ってんのに、そんなバカな話があるかって。
……ひょっとして、あんたら警察じゃないのか?
――――話が早くて助かる。我々は君が言うところのバケモノの専門家だ。詳しく知りたいのなら教えても構わないが……。
い、いや、いいよ。自称バケモノの専門家とか深入りしたくねーし。
それよりMの話だろ? ……あいつはいいやつだったよ。友達付き合いをしだしたのは割と最近だけど、あいつ、誰が相手だろうと態度を変えたりしないからな。
ほら、俺ってこういう見た目じゃん。別に不良ってわけでもないのにみんなから、特に女子からは怖がられてるんだよ。
……ま、最初から話すわ。
俺達、帰り道が一緒でさ。いつもキュージョーを通って帰るんだよ。そうそう。旧城塞跡公園のことな。
あの日も今日みたいな酷い横降りの雨で……ずぶ濡れになる前に早く帰ろうって話してたわけよ。そしたらMが道端に傘が落ちてるのを見つけたんだ。
ああ、傘だよ。コンビニとかで売ってそうなビニール製の白いやつ。
……おかしいよな? 雨の日なのに、屋外に傘を置き忘れるとかよ。それに見た感じ、まだ全然新品なのにな。
なんか薄気味悪いから触るなよ、って言ったんだけど
「きっと持ち主も困ってるよ。公園を出たところすぐに交番があるんだから届けてあげようよ」
ってMのやつが言うからよ、正直面倒だとは思ったけど俺も付き合ってやることにしたんだよ。そしたらよ……。
正直、心臓が止まるかと思ったね。だって、雨の日に植え込みの中からバッと目の前におどり出てこられたら――ビビるだろ?
……誰が出て来たんだって?
だから、あの女だよ。麦わら帽子に白いワンピースの、ビックリするぐらい背が高くて、長い髪の女。肌の色が信じられないくらい青白くて、目の周りも黒く落ち窪んでいて、キョンシーみたいな。
で、そいつがMの持った白い傘を指さして、蚊の鳴くような声で言うんだよ。
「……それはワタクシの傘です。どうか返してくださいませ」
……な? 何もかもがおかしいだろ? だけど、おかしいのはその女や状況だけじゃなくMも、様子がおかしかったんだよな。
その時はMが素直に女の言うことに応じて傘を渡してやったからか、それで済んだんだけどな。
こういうことを言うのもアレだけど、あいつ、あのキョンシーみたいなバカデカ女に一目惚れしちまって……。それから雨が降るたびに、あいつ、キュージョーをうろつくようになったんだ。
……何でって?
そりゃ白い傘を探すためにだよ。より正確に言えば、白い傘を拾ってあのデカ女が探しに現れるのを期待して、ってことだろうな。
なぜか、そういう方程式がMの中で出来上がっていて。
実際、あの二人が会っているところを目撃したやつがうちの高校にも結構いるんだよ。
それから半月もしないうちにあんなことになっちまって……。
恋は盲目って言うけれど、何もあんなドブスの化け物を好きになる必要ねぇじゃねーかよ。
なぁ、M。俺悔しくってたまんねぇよぉ……。
――――ありがとう。……辛い話をさせて悪かったね。
あ、ああ。……あんたらバケモノの専門家なんだろ?
だったらあのバカデカ女をとっ捕まえてMに何をしたか、ちゃんと吐かせてくれよな。
もし、Mが死んだのがあの女のせいだって言うなら俺は……。
野生の腐女子
11
かなめ
100
電子回路🔮💠
500
葵
40
コメント
1件
うわっ、今回めっちゃゾクゾクした!😭💦 Mくんが一目惚れしちゃったっていう展開、ホラーなのに切なすぎる…。あの白い傘の女、説明だけで背筋寒くなったけど、Mくんの純粋さが逆に怖いよ…。Sくんの悔しさがすごく伝わってきて、胸がぎゅってなった。続きが気になりすぎる!!⋆♡