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#ハッピーエンド
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キスをされたことが、どうでもいいだと?馬鹿を言うな。
忘れたくても、忘れることなんてできるものか。
(ねぇ、どうしてそれに気付かないの?やっぱり、馬鹿なの?あ、それともただ単に、デリカシーが無いだけなの?どちらにしても、そんなこと言葉にして聞かないで!!)
ベルは、レンブラントに顎を掴まれながら心の中で叫んでいる。
けれど声にしなければわかるはずもなく、レンブラントは目を泳がせながら唇を震わすベルの姿を、図星を指されて狼狽えていると解釈したようだ。
「なぁ……もう一度したら、あんたはちゃんと答えてくれるのか?」
「なっ」
何をどう考えたらそんな発想になるのか、ベルにはさっぱりわからない。
さりとて黙ったままでは、なにか良くない方向に進むような気がしてならない。
「……だって、あんなふうにするから……わかんないですよ」
しばらく考えた結果、素直な気持ちを吐露すれば、レンブラントは「ま、確かにそうだな」とあっさり手を離した。
てっきり怒ったり、もっと危険なことをされたりするかと思っていたのに、予想に反したレンブラントの反応にベルは脱力してしまった。
一方、レンブラントは覚悟を決めたような顔つきになる。
「わからないなら、考えろ」
「へ?」
突然レンブラントから突き放されて、ベルは今度はぽかんと口を開けてしまう。
「考えろって言ったって、口封じの為じゃないんですか?」
「違う。そんなのは口実にすぎない」
「じゃあ」
「だからそれを考えろって言ってるんだ」
「……はぁ」
曖昧に頷いてみたものの次の言葉が見つからず、むぎゅっと唇を引き結んだまま、ベルは黙り込んだ。
「……ちなみに」
沈黙を破ったのは、レンブラントだった。
「俺はこれまで衝動的に口づけをしたことなんて無い。嘘でも冗談でも本気でも、異性に対して結婚をほのめかしたことも無い。それから」
ここで一旦、レンブラントは言葉を止め、口元を片手で覆った。
その仕草は、己の発言を悔いているようにも見えるし、次に放つ言葉を紡ぐために必死に勇気をかき集めているようにも見えた。
「……食欲のない女にわざわざスープを用意させることも無かったし、怪我を心配するあまり強引に服を剥いだことも……一度だってないんだ」
不本意そうな、でもなにか吹っ切れた顔をして、レンブラントはきっぱりと言った。
そんな言葉を貰ったベルは、あろうことか、こんな憎まれ口を叩いてしまった。
「つまり、合意の上で口づけをしたことはあるんですよね?」
「……想像に任せる」
苦々しく答えるレンブラントは、傷口を錐でぐりぐり押されたような顔をしていた。
コメント
1件
あーもう、この2人のじれったい感じが最高すぎるだろ…!「わからないなら考えろ」って突き放すレンブラントがカッコよすぎるし、最後の「合意の上で〜」ってベルが切り返すとこ、思わず声出して笑ったわ。っていうか「食欲のない女にスープ用意したことも怪我で服剥いだこともない」とか、レンブラントの恋愛偏差値低すぎて不器用すぎて、胸がギュってなる。この距離感、もっと見てぇ…!